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なんとなく歩いてたらダンジョンらしき場所に居た俺の話  作者: TB
アフターストーリー『なんとなく家に戻ろうとした俺が世界を間違っちゃって、強くてニューゲームで頑張る話』

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第117話 ロサンゼルスダンジョンとグリーンベレー

 横田の【D特区】に向かった私達は、まず島長官の元に挨拶に伺った。

「早速ダンジョンを使わせて貰いに来ました。これからよろしくお願いします」


「おう、来たな。そこにいるのがこの世界の理で間違いないんだよな?」


 一応この世界でも社会人だったし、それくらいの常識は在る岩崎さんが、頭を下げ挨拶をする。


「この歳になって、始めて現役の閣僚と言われる方と会いました。岩崎と申します。よろしくお願いします」

「ああ、【DIT】長官の島です。同じ歳ですしあまり堅苦しくする必要はないです。理と呼ばせて貰ってもいいですか?」


「大臣さんに名前呼びして貰えるなんて、ちょっと感激です。これからこちらにお邪魔することが多くなるようなので、見かけた時は気軽に声を掛けて下さいね」

「そうですね、早く強くなって、この国を一緒に守ってくれる事を期待していますよ」


「いやぁ俺なんかに出来るのは、一生懸命頑張って棗ちゃんに惚れて貰う事で精一杯ですよ」

 

 その会話を聞いた斎藤ギルドマスターから「女性に対して、かっこいい所を見せようと頑張るのは一番成長する要因だから、良いと思うよ」と客観的に言われた。


 織田さんと和也さんは、強い岩崎さんとのギャップで、ちょっと距離感が解らずに、言葉を発さずにやり取りを見ていた。


 ◇◆◇◆ 


 早速ダンジョンへと潜る。

 まだレベルも低いので【D2】ダンジョンへと潜入する。

 討伐済みのダンジョンだから、現れる敵は一層では、スライムとゴブリンだけなので安定した狩が行える。


「岩崎さん。今日の目標は岩崎さんがレベル十を超える事です。薬師とビーストテイマーのJOBを獲得出来るので頑張って下さいね」


 向井さんもいるので、危険もなく順調に狩りを続け三時間後にはレベル十を迎え、この日の狩りを終了する事にした。

 今日の向井さんは、新しい薙刀の感触を愉しむように、嬉々としてモンスターを狩っていた。


 帰りに事務局に顔を出し、帰宅することを伝え転移門を拡げて、向井さんの自宅に直接帰還をした。


 家に帰り着いて、改めて向井さんと岩崎さんの姿を見ると明らかに若返っているのが確認できた。

 特に向井さんの変化が凄い。


 今日【D特区】に向かう迄は、現在76歳の向井さんの見た目は、精々60代の女性の様な見た目だったけど、今目の前にいる向井さんは、40代程度の美魔女と言えるような容姿に変化している。


 これは、もしかしたら向井さんがその気になれば、向こうの世界での鹿内さんの立ち位置で、美の伝道師としての人生も選択できるかもね? と、私は思った。


 そして岩崎さんだが、お腹周りはスッキリして来ている。

 服が少々サイズが合わなくなっているかな?


 うん中々カッコいいかも? これなら期待できるね! でも、まだまだだわ。

 せめて私より強くなって、私を守ってくれる状況になるまでは甘やかしたりはしないからね!


 きっと一緒に狩りに行き続ける以上、その日が訪れる事は無いかも知れない……


 ◇◆◇◆ 


 【G.O】でロサンゼルスに向かった理と雪は厳重なバリケードが二十重(はたえ)にも張り巡らされ、その周辺を銃火器を構えたグリーンベレーが取り囲んだ【D7】ロサンゼルスダンジョンを遠目に確認する。


「やっぱり大衆の意思が大きく影響してるのかなぁ?」


 ダンジョンの中から湧き出してくるモンスターを、米軍の機関銃が打ち砕いていくが、スプラッターなその光景の中にいるモンスターはアメリカらしくゾンビ達である。


 昔見たB級ホラー映画其の物の、青白い肌が腐ったような状態で白目を剥いて、足を引きずりながら歩くその姿は、見ていて吐き気をもよおす。


 しかし、いくら物量戦が得意な米軍と言えど、延々と湧き出してくるゾンビに実弾を使い続けても、税金を、ただ垂れ流すだけの、不良債権でしかないだろう。


 しかも、機銃からの銃撃でどうにかなるのは、精々五層より上のモンスターだけだ。下層の敵が出てきた時はどうしてるんだろ? と思いながら見ていると、丁度出てきた『ゾンビヘルハウンド』レベル65が一気にバリケードを飛び越え、周囲のグリーンベレーに襲いかかる。


 これって、やっぱゾンビだし噛まれたらこの兵隊たちも、ゾンビ化しちゃうのかな? ちょっとどうなるか見てみたい気もしたが、人の命を興味本位で失うわけにも行かないよな。

 倒してやるかと刀を握りしめた時に、女性隊員の一人が前に飛び出し、魔法を発動した。

サンダーだな。


 しかしレベルの違いはどうしようもなく、ゾンビヘルハウンドのタゲを取ってしまうだけになった。

 鋭い爪が彼女を襲う。


 血しぶきが舞いちりそこには彼女の右足が切断された状態で倒れていた。


 ゾンビヘルハウンドは、他の兵士が居ることを気にも留めずに千切れた右足を咀嚼している。

 そこにバズーカを抱えた男が飛び込んできた。


 マイケルだ。


 「メアリー大丈夫か?」


 と声を掛けていたが…… 

 メアリーは「大丈夫なわけ無いでしょ、それよりコイツラに傷つけられたら、ゾンビになって、あんたらを襲うしか道はないんだから、私が人間の内に頭を吹き飛ばしてよ」


 と、達観したセリフを吐いた。

 強い女性とは思っていたが、ここまで自分の生に対して、あっさりと諦めが付くものなのか? と、思いながら良く見ると、目は涙で一杯だった。


 精一杯の強がりなんだな……


 まぁ良くやったよメアリー。

 だが無駄死にさせる程、人の余裕は無い。

 メアリーにはまだまだ働いて貰うぞ。


 強制的にな!


 次の瞬間メアリーの足を喰っている、ゾンビヘルハウンドの口の中に、向けてマイケルがバズーカを打ち込んだ。


「どうだ、これならお前でも耐えきれるわけ無いだろ」


 俺は(あららそのセリフは駄目だろ…… それ言ったら倒れてる敵でも、再び襲いかかるパターンになるぞ、もっとラノベ読んで勉強しろよマイケル)と、思いながら前に出ていった。


 この世界のマイケルと面識はないが、有無を言わさず「マイケル邪魔だ。どけ」と言って、モンスターの前に出て、バズーカから発射されたロケット弾を、何事もないように噛み潰して吐き出したゾンビヘルハウンドを一刀両断で切り捨てた。

 そして、メアリーをスキルで治療する。


 メアリーの欠損は回復し、当然ゾンビ化も置きない。


 俺は、マイケルに伝えた。


「マイケル。お前鍛え方が足りなすぎる。今からちょっとの間だけ、俺が鍛えてやるからメアリーと一緒に付いて来い」


「ちょっと待て? 誰だお前は、何なんだ、そのクレージーな刀と訳のわからない強さは?」


「グダグダ言うなら連れて行かないぞ、三秒で決めろ」

「私は行くよ」とメアリーが言った。


 マイケルも頭を振りながら「ああ解った、行くよ」と、諦めた様に返事をした。


 その様子を眺めていたグリーンベレーの連中は余りの出来事に、呆然と俺達を見送った。


「俺はOSAMUだ。この女の子は雪、ちょっとの間だけだがこの国を守れる程度にはしてやる。頑張れよ」


「何で俺達の名前を知っている? 何処から現われたんだOSAMUは?」


「説明は面倒臭いから、気が向いた時にする。基本は俺の戦いを目で見て肌で感じて自分の力にして行け。出来なければこの国が滅びるだけだ」


 バリケードをかき分けて【D7】の中に侵入して行く。

 ダンジョンに入ると雪も九尾の狐形態に戻った。

 そこでメアリーが激しく反応した「Ohワンダフル! ファンタジーモフモフ‼」そう言いながら純白の九本の尻尾に顔をうずめ恍惚とした表情になった。


 ◇◆◇◆ 


マイケル・ギルバート グリーンベレーのアルファ作戦分遣隊の隊長で階級は大尉

メアリー・ジョーンズ グリーンベレー初の女性隊員としてマイケル班の副官を勤める女性で階級は准尉


 ◇◆◇◆ 


「メアリー。雪が嫌がるから辞めてくれ、雪の尻尾は俺専用だ」


 名残惜しそうに、雪の尻尾に埋めた顔を上げたメアリーが聞いて来る。


「理由は解らないけど、助けてくれてありがとう。貴方と同じような強さを身に付けることは事は可能なの?」


「まぁやる気次第だ」


 マイケルが「チョット待ってくれ、俺達二人だけでなく俺のチーム総勢十二名だが、纏めて鍛えてもらう訳にはいかないのか? どいつもぶっ飛んだ根性だけはあるから、きっと付いて来れる筈だ」


「まぁしょうが無いか。それならすぐ連れてこい。さっさと始めるぞ」


 三分ほどで、残りの十名を伴ってマイケルが戻って来た。


「ここのダンジョンは大して強くないから、俺と雪が倒して行くのを、しっかりと見て学べ。お前達の本番は次の【D40】ニューヨークダンジョンだ。聞きたい事はここから出てニューヨークに向かう途中で、ある程度答えてやるから纏めとけ」


 なんか良く解らないままに連れて来られた第三特殊部隊グループのアルファ作戦分遣隊は取り敢えず……


「「サーイエッサー」」


 と、返事を返してきた。


「まず最初に言っておくが、お前達の使ってる銃やこの世界の金属で作った武器は、はっきり言って役に立たない。ダンジョン産の装備を揃えて始めて戦うための準備段階に立てると思え」


「「イエッサー」」


 そして、俺と雪が一層のスライムとゴブリンを瞬殺しながら、二層以下から上がってきているゾンビたちを次々と倒す。


「マイケル、カースキュアは準備してあるのか?」

「何だそれは? 始めて聞いたぞ?」


「お前ら…… 良く、それも気づかないでゾンビなんかと戦ってたな? 馬鹿だろ?」


「馬鹿ってひでぇな、これでも士官学校じゃ優秀だったんだがな」


「これがカースキュアだ」


 そう言いながら実物を出す。


「呪い系の治療に効果を現す。ゾンビ化も当然防ぐ。毒消し系統のRランク薬だ、使う事が無かったから、在庫は大量にある。取り敢えず一人二本ずつ持っておけ。ゾンビに傷つけられたら、惜しまずに使えよ」


「「イエッサー」」


 階段出現条件が在る事の説明をして、俺が実際にこのダンジョンの条件である同一種を三匹連続で倒すを十セット、要はスライムだけ倒してたら三十匹で通過できる所を見せて階段を出す。


「階段出現条件はダンジョンごとでも違うし、階層ごとでも変化する。看破する為には、シーフ、シーカー等の探索系に特化したJOBを育てて、各階層の中央部分で特技を発動すればいい」

「「イエッサー」」


 そして二層に降りた。

 ここからはひたすら気味の悪いゾンビが出てくる。

 二層ではネズミ型、犬型、それと腐った死体の様なゾンビだった。

 武器攻撃だと、飛び散る体液を浴びてしまった時に、ゾンビ化の危険が有る為に、聖魔法を発動して次々と倒す。


 三層、四層と進み、五層の中ボス戦を迎える。


 レベル七十五オーガロードが現われた。

 その大きな体躯にグリーンベレーの隊員も息を呑む。


「こんな化け物を一体どうやって倒すんだ…… 不可能だ」


 と、言う声が聞こえる。


「そんな弱気でどうやってこの国を救うつもりだ。気合で倒すんだよ」


 とは言ったが、始めてこれ見たら普通の反応だよなとも思った。

 まぁ結果的には、雪がブレスで凍らせて、前足の一撃でバラバラにしてあっけなく倒したんだが、グリーンベレーのチームは、みんな口をあんぐりと拡げて、その光景を眺めていた。


 メアリーだけは「Oh! 雪ワンダフル、モフモフだけじゃなくて、ベリーストロング」と言いながら再び雪の尻尾に身体を埋めていった。


 メアリー…… まぁしょうが無いか。あのモフモフは確かに一度体験すると、中毒症状が出るよな。


 そして、六層、七層と進み、ダンジョンマスターを討伐して、【D7】ロサンゼルスダンジョンは消滅した。


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