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水彩度  作者: 梦現慧琉
7/8

七頁目

三日前。


 月曜日。

 学校へ行った。

 卯生は欠席だった。

 毬雲とは会わなかった。


 渡砂はもう居なかった。言うまでもない。


▼    ▼    ▼


二日前。


 火曜日。

 学校へ行った。

 卯生は欠席だった。

 ビブへ行った。毬雲と会った。

 適当な雑多を会話した。

 ずっと描いていた絵を完成させた。

 と言うより、完成したことにした。


 毬雲には見せていない。


▼    ▼    ▼


昨日。


 水曜日。

 学校へ行った。

 卯生はこの日も欠席だった。

 毬雲とは会わなかった。

 そのまま帰宅。


 夜に。部屋を暗くして、泣いてみた。

 それが自然だと思ったし、そうしておく必要を感じたからだ。

 理由はいくつもある気がしていたが、実際数え上げると片手で事足りてしまいそうで、明確にリストアップはしなかった。名分など並べなくても、涙を流せる程度には悲しかったし……むしろ、痛かった。ありふれた言い方でこの表現はむしろ嫌いなくらいだったが、胸が痛かったのだ。ねじ切れるようだった。

 選択の代償、後悔と懺悔、覚悟に自覚。

 痛くないわけがない。

 結構な量の涙が零れた。それでも滂沱の涙とするには、いささか不足していた。こんなものか、と思った。口にも出して、こんなものか、と言った。こんなものだった。

 もう、後が無い。そう、何も無い。

 悲しみゆえに涙することは、これから一生無いだろう。

 僕は確信しながら、床についた。


 明日で終わる。


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