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喪失の神医  作者: Crowley
第十章 新人の動向
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青天の霹靂

シン・エヴァ観ました。圧倒されて創作意欲が削がれておりましたが、持ち直しました。皆様はモンハンライズ買いました?私はハードウェアが無いので買ってません。何はともあれ、98話です。どぞ。

捜索の目を掻い潜りやって来た隊長と別れ、森をさ迷い続けること早二日。捜索からは逃げ切り森から脱出することに成功した。


話によれば今日から帝都に帰還するそうなので、今日のうちに帝都から離れなければならない。


「冤罪の逃亡者とはこんな気分か……」


不思議な気分だと考えていると、ようやく帝都を守る外壁が見えてきた。


脚に掛けていた【魔力操作】による身体強化を停止し、さも旅から帰ってきた探索者を装い門を潜る。


だが、いつもの帝都と言うにはどこか違和感がある。前世で味わった独特の雰囲気によく似ていた。


経済が回っていることに対するポジティブな感情と、何も知らないことによる漠然とした不安感が入り交じったような雰囲気。


その違和感に歯噛みしていると、中心街の方向から白銀の甲冑を着た集団が道の真ん中を闊歩している。


「……すみません、あれ何ですか?」

「ん?ああ、ありゃあ北方の連中だな。確か五神教とか言ったか、そいつらが布教だか何だかで出張ってきてんだ。」

「……雪に埋もれないのだろうか。」

「だいたい雪山で甲冑なんぞ着てたら寒さで死ぬぞ。案外、中身は空っぽだったりしてな?……つー訳で嬢ちゃん、ウチの飯食ってけや。」

「……じゃあ、蒸かし芋のチーズかけ一つ。」

「毎度ありっ!」


ジャーマンポテト似の芋を買い、腹を満たしつつ通りを歩く。


久し振りの勘違いに懐かしさを感じながら、甲冑の集団を観察していると何だか既視感を覚えた。


いつだったか、何で見たのかを考えていると、帝都の壁外上空から何かがキラリと光った。


「伏せろッ!」


咄嗟に声が漏れ、弾かれたように甲冑達全員が隊列を崩し、中心を隠すようにして倒れた。


そしてほぼ同じタイミングで無数の矢の束が飛来した。


それは彼ら甲冑を中心にして放たれたもので、彼ら以外に矛先が向いている事はなかった。


幸い、甲冑達はそれが凹んだだけですんだ様子で死傷者は誰一人として出ていなかったようだ。


レイの勘づいた既視感というのは前世で見た記憶。


既視感があったのは甲冑ではなくその隊列の組み方だ。


スコープ越しに見たものだったからこそ、すぐにそれに気付かなかったのだ。


そして中心にあるものを庇おうとしたことではっきりとした事がある。


「……大丈夫ですか?」


レイは手を差し出すと、甲冑に埋もれた中から白く細い手が延びる。


「ええ、何とか。」


彼、または彼女は何者かに命を狙われている。


そして、これは逃亡の手助けに大いに利用できる、と。

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