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喪失の神医  作者: Crowley
第九章 新人の卒業
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格好つくときは格好つけといた方が良い

現場は災害が起きたかのように騒然としていた。


剣を、槍を、弓を、斧を、槌を、杖を、武器を持つ者達が次々とこの天幕から飛び出して行く。


そしてそれと比例するように大ケガをして戻ってくる彼らを回復させる探索者達。


一進一退の攻防だと良いのだが、如何せんそうもいかないようだ。


向かってくる小鬼達の軍勢の武器が、少し手入れし忘れた程度の劣化具合で、その上幾つかの個体が指揮を執っているときた。


「君は【回復魔法】が使えないんじゃなかったかい?」

「これは幾らかの魔術と組み合わせた単なる【医術】だ。」

「がッ、ぁあああ゛あ゛あ゛あいッ、がぁぁアア!」

「それよりも魔法、止まってるぞ。」

「あ、ああ、そうだね。」


彼のように魔法が使えない為、【錬金術】【医術】を駆使して傷口を修復している。


というのも、怪我人を回復させられるのは偵察部隊とさほど人数が変わらないので、俺も駆り出されているわけだ。


だが、その副作用に激痛が伴う。故にこうして時折、俺を見ては表情をひきつらせているのだ。


「怪我人はまだまだ増える、集中しろ。」

「あああぁぁ、はッ、はぁ、ふう。こんな治し方じゃ難しいだろ?」

「嫌なら死ぬまで戦うか全滅させろ。戦場じゃ怪我人が一番困る。」

「ちっ、ぐうの音も出ねぇ。……じゃあ、全滅させに行くとするかね。」


治療を終えた中年男性が地面に置いてあった槍を取って天幕を飛び出して行った。


そしてその入れ違いでまた患者がやってくる。カスパールと共に戦場に立ったいつかよりも、治した数が圧倒的に多い気がする。


「リーダー、私の声が聞こえますか?!」

「ぅ……ッつ……あぁ聞こ、えてるぞ。」


やって来た患者はこの大規模パーティを纏めていた指揮官役の男性だった。確か彼は後方で各隊の式をしていた筈だ。


「前線が崩壊したのか?」

「君、は確か……」

「元第三偵察部隊、今は後方治療部隊所属のレイだ。で、前線は崩壊したのか?」

「小鬼、どもは、一掃したが……ぁっ、はぁ、頭領の、小鬼王(キングゴブリン)が後ろに、控えていた。」


なるほど、その強い小鬼にここまでしてやられているというわけだ。


状況は悪いが最悪という程じゃない。これなら俺も手の出しようがあるというものだ。


「敵はその一体だけだな?」

「そう、だが……まさかッ、ぐふッ!」

「無理に喋らないで下さい!」

「何十体も小鬼がいるならまだしも、強めの小鬼程度が一体なら俺が消しておこう。」


背嚢から悪魔を屠った狙撃銃を取り出し、地面から弾丸を生成する。


「無茶だ、小鬼王だぞ?!君なんかが勝てる相手じゃない!!」

「あの時の悪魔と比べれば、少し強い小鬼程度どうってこともない……まあ、すぐに片付ける。それまで治療を止めるなよ?」

数少ない読者さんからの評価が気になるお年頃。

著者の物書力の現状を把握するのにご協力下さい。

誤字脱字の確認はしてますが、漏れがあるかもなのでそちらも出来ればお願いしたいです。

(他力本願な著者より心を込めて。)

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