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喪失の神医  作者: Crowley
第九章 新人の卒業
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過度な心配はお節介と同義である

メリークリスマス。今年のクリスマスは……今年のクリスマスも家族と過ごします。レッツステイホーム。

初めての彼女のいつになることやら。

話した翌日、肉体には特に異常が診られなかった為、退院することができた。


孤児院に戻るとリィンやフェリスの他にも、年少組や年中・年長組の一部も心配してくれていた。


理由を端折りに端折ってどうにか伝えると知っているパロミデス以外は驚きを隠せないでいる。


「お前魔法が駄目になったんだぞ、これからどうすんだ?」

「魔法だけが手の内じゃあないからどうとでもなる……まあ、パーティを組み辛いのは覚悟している。」


何せ魔法が存在し科学が現代ほど進んでいないのだ、ちょっとした小銃でさえオーバーテクノロジーとなる。


そんな世界で小銃を見せびらかしたとして、そんなものが役に立つのか、と揶揄れるのがオチだ。


「レイ君、私がアーサー君にお願いしてみましょうか?」

「おお、勇者パーティの勧誘か?そりゃあいいじゃねぇか!」

「気持ちだけにしておく。あいつもいい顔はしないだろ。」


フェリスは心配そうに此方を見詰めながら言う。それに便乗してパロミデスも推すが断らせてもらう。


いつか同じやり取りをしたような気もするが、フェリスの優しさもここまで来るとお節介に聞こえてしまう。


「……そう、ですね。でも、何かあったら頼って下さいね?」

「んだよ、勿体ねぇな。じゃあ卒業後も俺らと組むか。」

「そもそも少ししか探索者として活動しない。探索者資格を基底に傭兵になるからな。」


その一言に、一同が苦虫を噛み潰したような表情を浮かべる。


外身は【レイ】でも中身は俺だ、対人が対魔物よりも難しいことも精神に堪えることも知っている。この世界の何よりも知っている。


「……私は何も言わぬ。レイの心は大人びているというより、大人なのだろう。ならば私からは何も言うまいよ。」

「知り合いが逝くのは嫌だが、お前の選択だから俺がどうこう言える権利は無ぇしよ。死ななきゃそれでいい。」

「わ、私は反対です!まだこんなに幼いのに、そんなにも殺伐とした世界に飛び込むのはまだ早いと」

「フェリス、そもそも是か否かじゃない、既に俺の決めていた事だ。前も似たような事話したし、これ以上は平行線を辿るだけだ。」


言外に話すことは無いと伝えると、俯いたフェリスは皆が帰るまで顔を上げる事はなかった。


フェリスには悪いが俺の為にも【レイ】の為にも、この選択を覆す訳にはいかないのだ。

レイは、フェリスの好感度を落としたようだ。


次回、年明け前目標に季節に合わせた閑話を挟みたいな~と考えております。

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