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喪失の神医  作者: Crowley
第八章 迷宮の波乱
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食糧難

階層主の居ない部屋を見付けてから幾日かが経った。


依然としてどの階層も階層主は居らず、小綺麗な部屋にぽつねんと下層へ降る階段があるのみ。


似たような階層が続き精神的にも辛い部分があり、士気も大幅に下がっている。


そして致命的なのは兵糧の減少だ。空腹を満たす事が出来なければ飢えて死に、空腹で戦闘の質が下がればそれでも死に至る。


「教官、食べられる魔物身近な魔物は何でしょうか。」

「んー、動物系に近い形状なら大体大丈夫だ。豚鬼(オーク)は筋と脂身が多いし、見た目がアレだが、体積が大きいから効率は良い。」

「成る程、わかりました。【召喚】」


そこで蛋白脂質確保の為に尋ねながら描いていた魔術式に触れ、言い聞かせるように豚鬼を召喚する。


シュレッダーの逆再生のように魔術式から出てきたのは、紛れもない豚鬼ではあった。


「なあレイ、こいつ何か傷付いてないか?」

「召喚の条件は『豚鬼である事』の一つのみだからな。何処からここに召喚されてもおかしくはない。」

「なあレイ、こいつ何か変じゃあないか?」

「召喚の条件は『豚鬼である事』の一つのみだからな。……もし上位種が召喚されてもおかしくはない。」

「「「「「はぁ?!」」」」」


ではあったが、出てきたのは傷だらけの豚鬼の一つ上の上位種。


名前は騎豚鬼(オークナイト)、豚鬼の中では最も豚鬼らしくない発達した筋肉と、武器をまともに扱える知能を持つ。


先程まで何者かと戦っていたかのように片目は潰れ左腕は折れた骨も皮を突き破って見えている。


切り傷も刺さった矢も数えられない程で、控えめに言っても満身創痍。


向こうは何が起きたのか理解できていないようでキョトンとして周囲を見回している。


「BMOOOO!!」

「チッ、来るぞ、構えろ!」


状況を把握したのか雄叫びをあげ武器を振り回す騎豚鬼と、いつもの形で迎え撃とうとする一同。


それを無視して俺は【無槍】を後方から騎豚鬼の顔面に叩き込み、一撃で頭部を吹き飛ばした。


後で教官には魔物がよってくると叱られたものの、貴重な蛋白脂質を確保できて結果的には万々歳だった。




「一体何が起きたんだ?」

「……アーサー、これは多分、誰かに召喚された、と思う。」


村が豚鬼の群に襲われていると情報を得て村に到着した俺達は、苦戦を強いられていた騎豚鬼と何とか戦っていた。


すると、どうだろう。突然、騎豚鬼が全身から光を放ち始め、終わったかと思えばそこには何も無い。


「この村が助かった、ってことで良いのか?」

「んー、仕事が減ったって事でいいんじゃない?」


釈然としないが、今はこの村が助かった事を喜ぶことにするか。

少し更新ペース落ちるかもしれません。

元に戻る時はその都度ご報告をば。

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