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喪失の神医  作者: Crowley
第八章 迷宮の波乱
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罠には脳筋

攻略を始めて二日経過した。地図を書いても書いても一階層の地図は全く埋まらない。


魔物の量が多いのもあるし、単純な膨大な広さも原因なのだろう。だがそれだけではないような違和感もある。


「一時はどうなることやらと思ったが、案外どうにかなるものなの」

粘覆核(スライム)と小鬼、犬鬼(コボルト)ばかりでつまらないですわ!」

「まー安全に倒せるんだから、良いんじゃね?」

「そーだねー、あ、でも戦い方が人型一辺倒になるのは心配かな。ねー、レイもそう思わない?」


誤って入ってしまった魔物の溜まっていた部屋でどうにか全滅させたところ。今は落ちた素材を回収している。


「……最悪俺と教官が加勢すればどうにかなるだろうが、」

「私は何もしないぞ。」

「だそうだ。対応しきれなくなる前に思い出し作業もしていこう。」


教官の性格の変容はダンジョンに入った時よりもより顕著に出ている。普段なら数秒考えるところも今では食い気味に答えている。


そこからマッピングして魔物を始末してを繰り返すこと数回。


マッピング中にしていた幾つかある()()()を確認すると、少なくとも今回のはヒット。


また数回始末して確認するとまたヒット。何度確認しても同じことになっている。違和感の正体は掴めた。


「ちょっと足を止めてくれ。」

「どうしたんですの?」

「どうやら俺達は同じところを何度も歩いているらしい。」

「え、レイそれどういう事?」

「正確には何パターンかある内の一つを選び続けている、ということだ。」


そう言って真横の壁を指差して説明した。


マッピングは正確性を重視し、別れ道を全て左に曲がり続け壁伝いに行い、その左側の壁に小さく作った【無杭(ノートパイル)】で傷付けたのだ。


今ある傷は4回を表し、最大で7回も通った道がある。説明しても到底信じられないという顔でいる四人。教官はあり得なくないと言う。


「諸説あるがダンジョン自体が魔物と言う学者もいる。そういう固有魔法、固有スキルと考えれば有り得なくはない。」

「じゃあどう脱出するんですか?」

「その魔法、スキルが基点となっている場所を制圧、と言うのが定石になるだろうが近付かせるぐらいならそんな事はしないだろうな。」

「要するに力業だ。」

「ちょっと待て、私は何もそこまでは」


教官の雑音は無視し、【無槍(ノートランス)】に思いきり魔力を込めて地面に叩き付ける。


最初こそ抵抗力を感じたものの、数秒とかからずに地面には放射状の罅が入り一つの階層をぶち抜いた。


同時に教官の地雷をも踏み抜いたのは言うまでもない。

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