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喪失の神医  作者: Crowley
第六章 新人の成長
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荷物の量と用途でその人の性格を分析できるかもしれない

「あ!おはよー、レイ!」

「……朝から元気だな、パーシヴァルは。」

「もー。パーシヴァルじゃなくてパーちゃん!」

「……パーちゃん。」

「うん、それで良し。あ、パロムおっはよー!」


教官の家から歩いて約十数分、東門前の乗合馬車広場に到着した。


元々収入が僅にでも入るなら出ていくという約束を、教官やご両親にあれやこれやと言い負かされ、卒業まで下宿する事になった。


広場には予定時刻よりも一時間程早く到着したにも拘わらず、既にパーシヴァルと朝に弱いトリストラムがベンチで待っていた。


「ういーす。パーちゃん元気すぎ。てかレイ、荷物少なくね?」

「……そうでもないと思うのだが。」

「ヴィヴィの宿に泊まるだけじゃないんだぞ?川遊びん時一体どうするつもりだったんだか。」


パロミデスのその一言に俺は絶句した。まさか、本気で言っているとはいえ思ってもみなかったからだ。


島では川にも魔物はうじゃうじゃいたし、まともに遊べる状況じゃなかったが大陸では違うのか。いや、それ以前に問題がある。


「あっれーぇ、レイってばぁ泳げないのぉ?」

「………………」

「……え、図星?」

「……ああ。」


それは俺が金槌という問題だ。前世の前半戦は遊ぶ暇なんて無かったし、後半に至っては彼女も金槌だった。


そんな訳で俺には水泳と縁が無い。だから、もしかしたら俺も泳げるのかもしれない、という淡い幻想を抱く。


だが、この世界なら最悪魔法でどうにかなるしどうにか出来る。どうにか出来てしまう。魔法とは(つくづく)便利なツールだと実感する。


「ならば、私が教えて差し上げますわ!」

「……ヴィヴィ。」


なにやら大量の荷物を抱えて胸を張るヴィヴィアン。


小さい頃は件の川でよく遊んだ為、近隣住民の中でも一番泳ぎが上手いと自負しているようだ。


「おはよー、ヴィヴィ!」

「ええ、お早う。」

「いつもなら一番に来てそうなのにどうしたんだ?」

「ええ、両親にお土産を買っていたら遅くなりましたわ!」


そう言ってヴィヴィアンは両手を広げる。腕に幾つも掛かる紙袋は彼女の世話焼きな性格を象徴するようだった。


全員が集まったのでヴィヴィアン主導で乗合馬車に乗り、目的地であるヴィヴィアンの実家へ向かった。

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