表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
喪失の神医  作者: Crowley
第五章 帝国と就職
42/167

恥辱もいずれ思い出になる

イギリスのロンドンにあるエリザベス・タワー、通称ビッグ・ベンを見たことはあるだろうか。


俺は前世で一度目にしたことがあるが、建築様式というものに疎く上手く語彙を紡ぐ事が出来なかった。


「推薦書付きならば、私からは何も言うことはありません。では、この書類に記入をして下さい。」


そんなビッグ・ベンに酷似した建物の中にあるのは、国会議事堂等ではなくナントカ予備校が入っている。


職員に渡された書類には氏名や年齢の記入欄の他に、得意な戦闘形態(攻撃、防御、支援)とその方法、射程を選択する欄が書いてある。


攻撃の欄に円を付け、方法の部分は物理と魔法の両方に、射程は中、遠距離を選択する。


「……現在、ボア教官のパーティしか空きが有りません。少々バランスが悪いですが、どうにかなるでしょう。」


職員に案内されて待合室にてボア教官を待つ。


ドアノブを捻ると共に木の軋む音が鳴って扉が開く。


「遅れて済まない。私はグロリア・ボア、呼び方等は気にしない。自由に呼ぶと良い。君が推薦された新人だね?」


島に来た隊長と似たような軍服を身に纏い、汗に濡れた長髪を整えて名前を呼ぶ彼女が教官なのだろう。


「……レイと、申します。」

「うむ、こんなにも若いのに良くできた少年だ。」

「……何故、俺の性別がお分かりになられるので?」

「まあ、簡単に言えば匂いだ。私は他人より目と鼻が利くからな。決して君が臭い訳ではないから安心してくれ。」


何事もなく職員から教官へ身柄が移動したので、職員は退室し教官から今後の方針と目標について聞かされる。


・教官を含めた六人のパーティでの幾つかの依頼達成

・各々の能力の強化、発展


「そして最後に治安の維持。これは帝国軍も力を入れている事だが、辺境の村等を守りきれているかと言われればそれは否だ。」

「……IT革命の有無が原因か。」

「あい、てぃい?」

「いや、何でもない。……です。」


待合室に沈黙が流れる。


思わず堪えきれなくなった教官は声を上げて笑った。


「ふっ、ハハハ!……いや済まない、苦手なら敬語じゃなくていいぞ?君も存外子供らしい所があるのだな。」

「……恐縮です。」


一頻り笑い終えた後、目尻の笑い涙を拭いながら彼女は微笑む。


それから少し話しながら教官に連れられ、自分のパーティメンバー(仮)の待つ部屋に行く。

2020/7/5 修正しました。

2020/12/27 修正しました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ