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喪失の神医  作者: Crowley
第五章 帝国と就職
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アルバイトは研修期間があった方が良さげだ

「……お名前は?」

「んもう、そんな事いいじゃない。話を続けるわよ。」


彼、いや彼女は名前を名乗りたがらない。いつの間にか背後に回っていた執事によると、漢らしい名前で好きじゃないらしい。


話の内容は、と言ってもギルドを与る者としての建前を多く並べ立てた位で、本音では自立までの保証が出来ないから、という。


「傭兵って、どこまでいっても信用第一なの。その人に付加価値が無くてうだつの上がらない傭兵って、一定数居るものなのよ。」

「その上仕事は探索者と違い、ギルドの斡旋は無く、自ら獲りに行くか依頼されるかですからな。」

「……成る程。何らかの方法で、信用を得る。話はそれから、という事で良いですか?」

「ええ、その理解で正解だわ。因みに私は探索者ギルドがお薦めよ。戦闘能力向上に効果的だわ。」

「僭越ながら、(わたくし)は商業ギルドが宜しいかと。交渉術の早期取得に良いです。」


二人の案は結局、俺が傭兵ギルドに将来加入すると仮定した話だ。


となると、俺としては商業ギルドよりも探索者ギルドの方が、紹介状を持っている分安心感がある。


「……それじゃあ、俺は探索者ギルドに、行かせて頂きます。」


先に社会的信用を得る為、俺は探索者ギルドに向かった。




「加入申込みですか?」

「紹介状を持ってきました。」

「……分かりました、一度上司に聞いてみます。」


実は傭兵ギルドの裏にあった探索者ギルドに入ると、総務課とある窓口で受付される。


受付嬢は訝しげな表情をしながら奥に消えていく。例え疑わしくてもそれを顔に出しちゃ駄目だろうに。


戻ってきた受付嬢に連れて行かれギルドマスターの部屋に着く。


「お、来たか。事務処理をしながらで済まないが聞いてくれ。」


俺がソファに座ると単刀直入に話が進んでいく。


「まず、書いてある事が事実なら偉業だ。」

「……ありがとうございます。」

「だが同時に、その年齢ならギルド法規定に基づいて、未成年者ギルド予備校に連れて行かにゃならん。俺らなら探索者だ。」

「……学校のようなものか。死亡率低下の為か?」

「まあそれもあるにはあるが、パーティかソロかで総依頼成功率が変わるからな。モノによってソロで受けられないからな。」

「……ギルド自体の信用保持の為か。」

「俺らは慈善事業でやってるんじゃねえ。何らかの理由で、体張るしか食い扶持がねぇからやってるだけだからな。」

「……それが法規定なら異論はない。」


話が決まると、ギルドマスターは何かの書面を引き出しから引っ張り出し、ささっと書き終えると封筒に入れて投げ渡される。


「場所は反対側の商業区にある時計台のあるデカイ建物だ。」


斯くして、就職先が決まった。尚、暫くは研修期間のようだ。

これで第五章終了になります。

次回登場人物紹介を挟み、次章始まりまする。

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