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喪失の神医  作者: Crowley
第五章 帝国と就職
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彼我の感情の温度差は気まずさを生む

「はあ、はぁはぁ……何とか、撒けたみたいだね。」

「ああ、そうだな。」


俺達は路地を抜けた後ある程度高くまで跳んで行き、ハミルトンの部下が走っていく反対側に逃げた。


固まって行動とは随分頭の悪い探し方だ。お陰様で現在地が分からなくなってしまったが、致し方ないだろう。


地面に降りた後、偶々近くにあった宿屋の女将がフェリスを知っていたらしく、一時的に匿ってくれ一息着いていたのだった。


「何であんなに跳躍力があるの?あ、飛べるなら何で気持ち悪かった時飛ばなかったの?」

「無理矢理【魔力操作】で脚を操っただけだ。それに、やったら筋肉痛になる。」

「そ、そうだったんだ。」

「空中を移動できる話をしようとしたら、遮られ切り出しづらくなった。」

「ご、ごめんなさい。」


責めてるつもりは無いのだが、口調がいけないのかトーンがいけないのか。そこまでしょんぼりされると此方も気まずい。


しかし、困ったことになった。俺をどこか人が疎らな通りに置いてくるだけの予定が、盛大に狂ってしまった。


フェリスを一人にすれば殺されて、こういう所に長居するのも無関係な人に、被害が出るかもしれない。


「レイ君、もし良かったら何だけど、私達と一緒に来ない?」

「……俺は最悪奴等を殺せるから大丈夫だ。」

「ダメ、そんな簡単に殺すとか言っちゃ。それじゃああいつらと一緒になるのよ?」


前世の話だけではなく島で既に何人も殺しているのだ、今更堅気になんてなれはしないのだ。


俺が考えていること十分。階下で大きな物音と怒号が聞こえた。多分あの部下達だろう。そして多分一人だ。


「考えている暇は無さそうだ。【形成】」

「それってどういう」


質問をしようとしたフェリスを遮るように部屋の扉が破られる。


「ヘヘッ俺が一番じゃん、全くツいてるぜおゲギャア!」


と、同時に取り出した銃弾を鉄の三ツ又の棍棒に作り直し、部下の股間と鼠径部を砕く。


これで生涯子供の顔を見るどころか歩く事さえ儘ならないだろう。


「フェリスについていくってことだ。俺にもする事があるから、途中で去るかもしれないが、宜しく頼む。」

「ほ、本当に?!良かったぁ、安心したよぉ。」


それで泣かれるのもまた俺だけが気まずいから止めて欲しい。

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