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喪失の神医  作者: Crowley
第十四章 新人と希望
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自分の意志決定で成された結果は悪くても受け入れられる

新年明けましておめでとうございました。

鏡開きも終わって、今更かよ。とも思わなくもないですが。

ふと湧いた創作意欲は待ち続けたものなのです……

来た道を引き返すように村へ向かうこと数日、陣を張る統一感のある鎧を纏った少数の帝国軍とそれを遠巻きに見守る雑多な装備の傭兵部隊が見えた。


そして傭兵らの中心にいるグリルが頭領らしき男たちと何やら話し込み、その護衛をするようにリヒトが周囲を巡回している。


「グリル!」

「誰だてめぇ?」

「お、戻ったか。コイツはレイ、うちの有望な新人だ。何せこいつが大半を根絶やしにしたんだからな。」

「へぇ、こいつが?」

「腕が鈍ってるんじゃあない?一発イれとく?」

「るっせーな、こいつが鋭すぎるだけだっつーの。」


名前を呼んだ事で反応したのは三人、スキンヘッドの大柄な男、奇妙な刺青を大量に彫った男、腕の複数生えた女。


「ん、お前の部下か?」

「ああ、クソ強いぜ。」

「承知した。……ゲンだ。」


遅れて反応を示したのは、集団の中心で何やら指示を出していたように見える、帝国の少し豪華な鎧を纏うどこか東洋人じみた風貌の男。短く挨拶を返すと何事もなかったかのように話を続けた。


山から降りてくるのは統一された鎧を着込んでいる事から、それなりの資金源のある貴族や豪商の私兵である可能性が高く、下山スピードから練度は帝国軍の一歩兵部隊を容易に凌ぐほどらしい。


ここ暫くは小さな小競り合い程度はあれどこれほどまでの規模での戦闘はなく、将であるゲンは我が隊ながら情けないと嘆く。


つまるところ、大人数の弱兵よりも少人数の傭兵が強いから呼ばれたということ。


「期待しているのは頭目を潰し統率力を早急に失くすこと。次点で彼らの殲滅。上層部は内部にいる貴族の関係者は保護しろ、とは言ってるが。」

「今おたくらがそれを願える状況じゃあないのは?」

「把握している。……少なくとも私はな。」

「勝利条件は敵将の撃破、敗北条件は自陣の壊滅、優先項目は重要人物の保護。そんなところか?」


ある程度話が纏まったところであろうことかグリルが悪い笑みを浮かべた。背筋に冷たいものが這うような感覚を覚える。


「だったらさあいい話があんだけどぉ、乗らない?」




「断る。気に入らねぇ。」

「俺は別に構わないな。賭けに乗ろうってんだ、その分の代金はお前が受け持つんだろう?」

「あたしも良いわよ?成功したら軍からも報奨は出してくれるわよね?仮にも()()()()()()()()()()んだから。」

「承知した、掛け合おう。」


案の定、嫌な予感は的中した。だがそれは俺にできない無理難題などではなく、寧ろ得意とも言える作戦。


自由意思はなく、それでも出来ないわけではない最悪な形を成した作戦だった。

今年も宜しくお願いいたします

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