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喪失の神医  作者: Crowley
第三章 少年の喪失
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就職は職種とタイミングが命運を左右するのだ

「誕生日おめでとう、レイ。」

「……あぁ、ありがとう。突然どうしたんだ?」


朝起きるとリーラが枕元で座って待っていた。


「昔は十二歳になると子供を王城に連れて行く行事があったからな。」

「何の為に?」

職業(ジョブ)を得る為だな。」


ジョブに就く事によって今後の進路を決める事が出来、本人の才能やスキルによって決まるという。


「そこでだな、レイも成長してきた事だしな。」

「何をするんだ?」

「レイのジョブをここの地下で決めてしまおうかと思ってな。」


王城でしか出来ないのではないのかと聞いてみると案外そうでもないらしい。


決めるには【神殿】と呼ばれる特定の立体魔術式があればいいという。


もしかしたらと、俺がここに来た際に造ったらしい。多分タイミングは豊胸した辺りだろう。


「今から行くのか?」

「うむ。それとも朝食の後の方がいいか?」

「……いや、今からにしよう。何だかんだで忘れそうだ。」




***


You Can Select


【無魔法師】【武芸者】【錬金術師】【精霊術師】

【死霊術師】【召喚術師】【魔術師】【狙撃手】

【解体者】【使用人】【商人】


                   ▷ヘルプ


***


ここにもヘルプがあるのか。やはりこういう所は親切設計なんだな。


俺は初めてのジョブに【無魔法師】を選択する。


《スキル【無属性魔法】のスキルLvが上がった》

《スキル【魔力操作】のスキルLvが上がった》


ヘルプによると、どうやら一度就いたジョブは再度就けないようだ。


「終わったぞ。」

「そうかそうか。で、何を選んだんだ?」

「【無魔法師】だな。」


リーラの表情は芳しくないが、何かおかしかっただろうか。


どうやら本来【無魔法師】は優先して就くようなジョブではないらしい。


理由を尋ねようと口を開くと同時。バリンと硝子が割れるような大きな音が鳴る。


桜の木で作られた結界は、たとえ飛竜がぶつかったとしても破られない。


「人間……か?」

「こんな所に来れるような人間が……って、レイも人間だったな。」

「茶番はいい。対応はリーラに頼む。」


リーラには前世の事を含めて事情は全て話してある。勿論、俺が対人関係で大きな失敗をしたということも。


彼女がわかったと頷くと、俺達は小屋の一階へ戻り結界を破った主に対峙する。


「これはまた……何とも物々しい出で立ちじゃな。」

「これは失敬、何分私達も仕事なもので。」


そこに居たのは約一個小隊程の常に周囲を警戒している人間の集団がいた。


暖かそうなギャンベゾンを身に纏い、腰に帯剣して槍を持ち、背中には洋弓と矢筒を背負っている。


まるで中世の時代を想わせるような旧時代的な装備に思わず声を失う。


「……一体何をしにこの島へ来たのじゃ?返答によっては貴様等を魔獣共の餌にでもするが?」

「おやおや、穏やかではないですねぇ。」


そう言う代表者の男は髪を整えてから、改まって御辞儀をしながら言い放つ。


「エクリプス帝国軍仮称ロスト島制圧作戦支隊隊長です。何しに来たかは分かるでしょう?なので、名乗る事はしませんよ。」

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