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喪失の神医  作者: Crowley
第十二章 新人の反撃
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未知なる生物は見た目が命

お久しブリーフ。今の子ってダンディ坂野知ってるのかしら。どうでも良い話は置いといて、元々読み専だったもんですから、新しい作品読んでたら時間忘れてしまいました。

待望(?)の117話。どうぞ。

街の人通りは帝都よりも少ない程度ではあるが、それ以前に乱立する四角い建物と街の中央にある高層ビル擬きが目立つ。


四角い建物には大きな窓はなく、ビルというよりも大きな箱と言う方が的確か。


高層ビル擬きに至っては小窓すら見受けられず、よく見なければ黒い柱だ。


「何だかやっぱり不思議な街ですね。」

「さっさと魔道具屋で追っ手を叩き潰す算段をつけなくては。」

「囮なんてやりませんよ!」

「はいはい。」


勿論、検問前での問答は冗談である。


追っ手が面倒に感じてきたことと叩き潰したいことは本音だが、彼女を囮にしようだなんて微塵も思っちゃいない。


しかし、この冗談を交わしておく必要はある。たとえ彼女が盛大な勘違いをしたままだとしてもだ。


「ここも魔道具屋のようです。」

「ここも、四角い箱なんですね。」

「いらっしゃい、外のお客さん。お買い物で?それとも作品の営業で?」

「営業って、どういう事ですか?」

「ああ、お買い物の方ね。魔道具を開発した人は、こぅいうところに営業に来るんだよね、うちの作品売らないかってね。」


店主はガラクタが大半だと苦笑して言う。


「まあうちはそのガラクタを売るのが専門なんだけどね。」

「なるほど。」

「適当に見て手にとって、気に入ったのがあれば買ってってね。おぅい、幾つか持ってこぅい。」


店主が何者かを呼ぶと、店の奥から商品らしき何かが歩いてきた。否、商品に足が生えている訳ではない。


「何、この子。」

「ありゃ、知らなかったのね。この国じゃあ割と有名使い魔だからてっきり知ってるもんかと思ったがね。」


商品を持ち上げているのは白いクッションのようなモノ達。


腕は長く脚は短い可愛らしいソレには顔のようなものはない。


ただ、真ん中にエジプト風な単眼に睫毛のようなモノと涙型のイラストが描かれている。


何一つ鳴き声をあげることなく、せこせこ商品を運ぶ姿は非常に可愛らしさがあると共に、模様のせいか非常に不気味でもある。


「え、じゃあこれが例のあのゴーレムのような使い魔?」

「ははは、確かにこの子ぅ達が【首のない小人達(ウォーキングアイズ)】だけどゴーレム扱いはやめてあげてね。うちの子が拗ねちゃうからね。」


小人達は近くまで寄ると、俺の脚を両手でベシベシと何度も叩く。全く痛くない攻撃に胸に温かいものを感じつつその手を掴む。


「……?………!」

「意外と硬いが、シルクのような肌触りだ。」


俺が手を離すと興味を無くしたように今度は彼女の下へ行った。


小人は彼女の脚に抱き付くと、思い切り腕を伸ばして膝を叩いている。


「抱っこして欲しいんじゃないですか?」

「そうなのですか?」

「……」


小人は屈んだ彼女の首に手を回し、彼女も小人を抱き上げてみる。


「意外と重いですね。」

「中身は何なんだろうか。」


謎深き生物の目を覗くが、眼はじっと無機質に俺を見つめるだけだった。

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