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喪失の神医  作者: Crowley
第二章 幼児の成長
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閑話:勉強をしようとすると必ず邪魔が入ってくる

登場人物紹介は変わらないので今回は閑話にしました。

「まず、レイには魔術を幾つか覚えて貰おう。」

「魔法じゃあないのか?」

「う……よ、四大属性はまだ大丈夫だな。」


今日はリーラに初めて魔術を教わる事となった。


「まずは錬金術だ。」

「錬金術……鉄や石を黄金に変えるってやつか?」

「ん~、出来なくはないが相当時間練習が必要だな。」


錬金術というと前世では世界史に近代科学の発展に大きく貢献したと少し出てきたくらいだ。


俺自身先程も言ったように石を金に変えようとした事ぐらいしか知らない。


「そうか。それじゃあ最初は何が出来るんだ?」

「物質を探す【探知】、物質を取り出す【製錬】、純度を高める【精錬】、物質を形作る【形成】の四つだが、これ以降はあまり増えないな。」

「じゃあ、スキルLvが上がればその四つの性能が上がるって事か。」


そうだ、とリーラは首肯する。


しかし何ともいい加減な魔術だ。魔術が全てこうなら人気がさほどないのは必然的だ。


「まずは、錬成陣と言われる魔術式を書く。」

「ほう。」

「次に、錬成陣に合った魔術の詠唱をする。この錬成陣の場合は【精錬】だな。」

「ほう。」

「すると、錬成陣が勝手に自分の魔力を吸いとって魔術を発生させる。」

「ほう。」

「それで終わりだ。」

「ほう……は?」


随分と単純な魔術だ。錬成陣も簡単な幾何学模様を幾つか重ねただけに見える。


まずは錬成陣を見本を見ながら書き上げる。


【錬金術】スキルを手に入れれば、何となくで出来てしまうらしいからそれまでの辛抱だ。


「これでいいのか?」

「んー、ここの角の傾斜をもう少し大きく。あとここの堀彫りを浅くしなきゃだな。」

「……これでどうだ?」

「うむ。これでいいがちゃんと書き直さなければちゃんと発動しないぞ?書く順番が変われば違う魔術式になってしまうからな。」

「そういうものか。」


リーラの指導に従って坦々と書き上げていく。


リーラも興が乗ってきたのか、段々と幾何学模様が多く大きく複雑に細部に至るまで書いていく。


最後に汗を拭って確認してみると床一面が錬成陣で埋め尽くされていた。


「なあ、人間でも創るのか?明らかに初めに書くレベルを超えているだろ。」

「あ、アハハ」

「苦笑いで誤魔化すなよ。」


何とも言えないような視線を向けるとリーラは顔を逸らして誤魔化した。


しかし、彼女はもう一度錬成陣に目を向けると訝しげな眼差しへと変わった。


「どうした?何か見つけたのか?」

「この魔術式が何かに似てるなと思ってな。考えてみたんだが、【愚者の金】と【賢者の石】を【錬成】する魔術式を融合したような式のようだ。」

「その【錬成】ってのはスキルLvの上昇で新しく増えるやつか?」

「まあ、そうだな。」


【賢者の石】、【愚者の金】を錬成するのは錬金術史上最高難度らしい。


その二つは【錬成】する際に使われる万能の触媒だという。


「じゃあそれを使えれば凄い事じゃないか。」

「どちらも大事な部分が欠けているから無理だ。」

「……俺の練習するはずだった時間を返せ。」


初日は心身共に疲労した為練習は無くなった。

【愚者の金】は、現実にある愚者の黄金と呼ばれる黄鉄鉱とは関係ない、全くの別物です。

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