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喪失の神医  作者: Crowley
第十章 新人の動向
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討ってつけの路銀稼ぎ

ボヘミア○・ラプソディー問題がクリアできる事に驚きを隠せないジョジョラーの一人です。

私が一番好きなのは三部ですがね。

「……足、ハァ、速いですね。」

「ふふ、ありがとうございます。雪山で歩く為には脚力が必要なのですよ。」


皮肉を込めた一言は、純粋な彼女にしてみればただの誉め言葉のようだ。


「息があがってますよ?」

「……体力が、ないんですよ。遠距離、攻撃に、体力は、要らないんですよ。」


前衛がしっかりしていれば、後衛は黙って引き金を引くだけで、危険は少ない。


事実、パーシヴァルやヴィヴィアンの後ろにいて危険な目に遭うことはなかった。


「仕方がないですね、ここで休憩しましょうか。ここなら丘の上で見張らしも良いですし、いざとなったら動きやすそうです。」

「動くのは俺ですし、いざとなる時は来ません。」


そう口にしながら背嚢から、薄めすぎたエフォックとコンビーフ似の薄切り肉と野菜を挟んだ固いパンを手渡した。


エフォックの色も味も気にする様子のない彼女は、やはり高貴な家系の血族なのだろう。


「っ、これはなんですか。味が飲み物に比べて濃いですが?」

「長旅用に味を濃くしてあります。腹持ちは良いでしょう?」

「追われていたのに塩漬けする時間あったんですね?」

「探索者が外で食べる飯は大体こんなものを用意しておくものです。仕事によって遠征距離が変わりますから。」


そういうものですか、と彼女は呟くとサンドイッチを頬張りながらそれをエフォックで流し込んだ。




休憩後は彼女も俺のペースにあわせて歩いてくれた。


年相応にも満たない貧弱な体力に、文句一つ言わずかれこれ三、四日もあわせてくれているのは非常にありがたい。


そして俺達は当初の方針通り、近くの村は迂回してなるべく人通りのない林道を進んで行った。


無論、それは組織されていないはみ出し者達にも言えることだ。


探索者ギルドや傭兵ギルドには賞金首の人相書が貼ってあるのだが、そこに貼り出されていた賞金首も数名討ち倒した。


「賞金首を討てたなんて凄いですね!」

「いや、貼り出されるということは、襲った時に何人か殺し損ねる程度の腕だったということです。」

「ですが、生かしておいた方が自分達は強いんだから逆らうな、って威張れませんか?」

「大きな組織なら兎も角、ただの盗賊なら身元を隠すためにも全員殺った方が安全ですよ。」


幸いにも彼らの首のお陰で路銀は恐らく充分、あとは少し先に見えている大きな灯りに向かって歩くだけ。


既に日は落ちて薄暗くなっている。俺達は夜が明けてから街に入ることにした。

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