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件名 Re:start 貴方は本当に人生をやり直しますか? Yes? No?  作者: 白雪銀髪
一章 ゲームをスタートする時点から俺の人生は決まってた
1/3

1  【START】

GAME START

見知らぬ場所、見知らぬ星空


「おめでとうございます!」


見知らぬ仮面の男の声が、頭に響く


「貴方は抽選により、リアル人生ゲーム【ラグナロク】の参加者に当選致しました!」


理解出来ない、目覚めたばかりだからであろうか


「何を言っているか、理解出来ない?」


なんだ...心でも読めるのか?


一体、ここはどこなんだよ


「ここは【始まりの天】天と書いてソラと言います、心が読めるのは勿論、私が神様だからです」


神様という言葉がやけに強かった気がする


天って言われてもわかんねーよ


「そうですか、まぁ場所なんてどうでもいいんです。所で、何故喋らないので?」


「あ、喋れるのか...何か自分が意識だけの存在になって喋れなくなる展開だと勘違いしてたわ」


「妄想が激しいようで、プッ」


イラッ


「何で俺はこんなところに居るんだよ」


「それは自分の胸に手を当てて思い出してみてください」


仮面の男は指を鳴らす


すると、俺の目覚める前の記憶が流れ込んでくる


胸に手を当てなくてもいいんかい...

▼▼▼▼▼

-数時間前-


「アイスでも買いに行くかな...あ?」


キキーッ


ガシャーン

▼▼▼▼▼

「思い出して頂けましたか?」


「思い出せるわけねーだろ!」


俺はグイっと仮面の男に近づく


「もうちょっと細かい所まで見せろよ!何だあの回想!?ふざけてんの!?交通安全教室のビデオでももっとマシでしたムギュゥ」


言い終わる前に顔を手で捕まれて押される


「耳元で煩いですよ、そんなに見たいんだったらちゃんと見せてあげますよ」


男はまた指を鳴らす


今度はちゃんと思い出せるんだろうな...

▼▼▼▼▼

俺の名前は西城勇生(さいじょうゆうき)、今年で15歳になる高校生なりたてほやほやの少年だ


親は仕事で大抵いない、家じゃいつも俺1人だ


小学生の頃から友達の1人も出来ない俺には一緒に遊んでくれるやつなんて1人もいない


悲しきかな...高校でも俺は友達の1人だって出来る事は無い


昼休みには皆がグループを作って一緒に弁当食ったり遊んだりしているのに対して


俺は教室の窓辺の一番後ろの席で1人ラノベを見ながらご飯を食べているのだ...


そんな俺は、人生に暇をしていた、退屈なのだ


最近は持病の痛風が痛むとか言う設定で学校を休んでいる


そして家でダラダラ過ごしている


俗に言う、引きこもりなのだ


そんな日常に突如、異変が起きたのだ


俺は平日の真っ昼間に目覚め、冷蔵庫を調べる


「コーラがねぇ」


まさか...5ダース買っておいたコーラが、1日1本のペースで飲んでいたコーラが


この7月のくっそ暑い日に全て無くなるとは...


補充したのいつだっけ...あれ、確か2ヵ月前...


あ、6月に入って暑くなったから少し余分に飲んじゃったんだっけ...1日3本くらい飲んでたなテヘペロ


取り敢えずコーラを補充しに行かなければならないようだ


明日には一度親帰ってくるし、電話でコーラ5ダース追加頼んどこ


今は今日を凌げるだけあれば十分か


俺は1ヶ月ぶりに家の外へ出ることにした...


あっつやっぱ止めy((殴

▼▼▼▼▼

『最新作オンラインゲーム、ドラゴン·オート·オンライン!ゲームの世界で自由に駆け回る新感覚シュミレーションゲーム!7月7日に発売!』


ゲームショップに置いてあるテレビから流てきた宣伝


自由にか、ゲームの世界って自由でいいよな


「あーあ、俺も実際にゲームの世界で新たな人生を送りたいなー」


「何あのこ...クスクス」


「独り言でっかい...(笑)」


笑われた!


さすがに恥ずかしくなった俺は顔を真っ赤にして走って帰った


べ、別に恥ずかしくて顔真っ赤になったわけじゃ、ないんだからねっ


暑いから、そう!暑いからだから!

▼▼▼▼▼

家に帰り自分の部屋に戻った俺は


「コーラ買うだけで、疲れたぜ...」


そう言って俺は買ったばかりのコーラの蓋を空けて


「っっ!っっっっっっっ!?」


飲もうとしたがテーブルの足の角に小指をぶつけて悶絶する


その衝撃でテーブルに置いてあったパソコンが床に落ち


モニターにバランスを崩しコーラを真上に放り投げ転倒した俺の肘が確定する


咄嗟に起き上がり振り返った俺は、宙に放り投げていたコーラがモニターの割れたパソコンへダイブする光景を


ただ傍観する事しか出来なかった


「...」


小指の痛みを忘れ、呆然と立ちすくむ俺は


黒い絶望の海の中でバチバチ音たててぶち壊れたパソコンを見て


絶望


死んだぁぁぁぁぁ...


絶対壊れた...パソコン壊れた...


両手に顔を沈め、俺は涙する


「あのパソコン、お年玉5年貯めて買ったのにっ...!」


テーブル絶対許さないっ...!


悲惨な空気に、一つのメールの着信音


発生源は...スマホか?


このご時世に、ラインじゃなくてメール?


そもそも俺にはラインとかメールする相手もいないはずじゃ...


考えているうちに虚しくなってきたので考える事を止めた


俺はベッドの上に放置していたスマホを手に取り、メールを確かめる


そこにはこう書かれていた


『件名 未明

 差出人 未明

 本文

 ぶwざwまwでwすwねw(笑)』


「うるせーよ!?」


俺はスマホをベッドに叩きつける


するともう一度着信音


俺は渋々メールを確認する


『件名 start

 差出人 未明

 本文

 そんな不幸な貴方にとてもいいお知らせがあります!

 貴方、人生をやり直せるとしたら、そんな方法があるとしたら、やり直しますか?』


俺はすぐ返信した


『件名 Re:start

 差出人 未明

 本文

 そしたらこんな人生何回だってやり直してるわアホ』


俺は返信したあとスマホの電源を切り


泣きながら見るも無惨なパソコンの残骸を片付けた


テーブルをどかし、床を雑巾でふき、テーブルを戻す


その一連だけでさらに疲れた俺は眠ることにした


俺は壁に掛けてあった、限定ドラゴンオートオンラインのヒロインの抱き枕を抱きしめ、ベッドに入り


ふて寝を決めた

▼▼▼▼▼

「ぶwざwまwでwすwねw」


「あの時のメールお前かぁ!!」


俺は仮面の男に殴りかかった


が、某ドラ○ンボールのような音を残し仮面の男が消えたと思ったら


後ろから俺の肩に手を置いて


「申し訳ございません、不覚にも、笑ってしまいました」


絶対殺す...!


「ていうか、最初の手抜きの回想とまったく違うし、ここにどうやって連れてこられたかも分からないんだけど!?」


「あぁ、手っ取り早く殺しました」


「ヒェ!?」


俺は腰が抜けそうになった


「と言っても、自分の手を汚すのもあれですので...乾いた草と黒い布を持ってきて虫メガネで日光を集めながら考えた所、見事に炎上いたしまして...」


「小学生の理科の実験かぁ!」


「ちなみに最初の回想は記憶を見せるのめんどかったので、交通安全教室のプロモーションビデオを流したのですが」


「意味わっかんねーよ!?」


「まぁまぁ、これで貴方は見事死亡しました。同時に生まれ変わる権利得たのです!」


パカーン


俺の頭上でくす玉が割れる


どっから出てきたんだよ!?


「さて、そろそろ今回貴方が招待されたゲームの説明をしていきます...が...ククッ」


「何笑ってんだよ」


「いやぁ、今思い出すと笑いが止まらなくて...ククク」


「...何をだよ」


正直聞きたくなかった、嫌な予感がしてたからだ


「貴方の家が炎上したでしょう?貴方はそれにいって燃え尽きたわけなんですが...最後まで貴方は起きる事無く可愛らしい(笑)抱き枕を抱いて変な笑顔を浮かべて寝ている様子が面白かったんですよ...ククッ、しまいには、燃え尽きて残った骨がまだ抱き枕を抱きしめていたんですよ...ヤバい、私、お腹が痛くなってきました、クククク」


男は腹を抑え悶えている


「止めろぉぉぉぉ!」


俺は頭を抱え天に吠えた


「まぁ、抱き枕の残骸だと分かる人間は居なかったようですし、まず面目は保てたでしょう、そんなのあったのか知りませんが」


「おい...最後」


「貴方の葬式も行われましたが、貴方の親御さんが持ってきたお供え物がコーラ5ダースだったのもお笑いでしたよ」


「うるせぇ!止めろ!今すぐ止めてさっさとゲームの事について話してくれやがってくださいお願いします!」


俺は男の肩掴み揺さぶり、最後に土下座して頼み込んだ


「そこまで言うなら、して上げましょう、CMの後で」


「ふざけんなよ!?」


続く                                    ...とは思いたくなかった

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