第一章
悪いところを直しながら頑張って書いていきます。
注意:この作品は某ライトノベルの影響を受けまくっています。
誰もが一度は思い描いたであろう夢。
それは例えば、自分がヒーローになるだとか形を変えれば二次元の世界に入って世界を救うだとか。いや、そこまでいくと妄想の類になるな。後は少々SFチックになるが、宇宙人や未来人との交流とかだ。どれもこれも子どものころにパッと頭に思い浮かぶような他愛もないおとぎ話だ。ちなみにそんなことを考えている俺がいつまで「それ」を夢見ていたかというと、恥ずかしながら、小学3年生までだ。夢見ていたというか、それを信じきっていた。もちろんのことながらサンタクロースなるものが実在するとも思っていたし、海底には怪獣が眠っているとまで思っていた。
だが、もちろんそんなことはなく、親に連れられて見に行った怪獣映画のエンディングの後に映し出された「この物語はフィクションです」という文字を見て、今までにない絶望感に襲われた。
そんな俺も今日から高校1年生だ。子ども脳が健在だったあの頃とは違うのだよ。といっても大人になったわけでもない。言ってしまえば、中学が自転車通学だった俺はもちろん電車の乗り方も知らないわけだ。高校入試に合格した時にあらかたの準備をして、定期券を買ったはいいがどう使うかがわからないのだ。ましてやここは田舎の中の田舎、かざしてすっと入れるような設備はないし、駅はやたらとオープンになっている。4月はまだ肌寒いから身震いもしてしまう。ここは先輩方がどうやって通っていくかを見るしかなさそうだ。
その矢先、同じ学校であろう人が定期券を切符の差し込み口に挿入したのが見えた。なんだよ、定期券も切符も同じ扱いか。額が違うぞ額が。
なんてぼやく暇はなく、後数分で電車が到着するというアナウンスが鳴った。俺も急がねば。俺は定期券を先ほどの人の見よう見まねで挿入し、ホームへ向かった。この先のことに緊張していたのか、俺の手は出てきた定期券をスカッと通り越していた。ああ恥ずかしい。
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電車に揺られること十数分、目的の駅に到着した。学校の目の前に駅があるという良心的な配置だ。だが電車の中は全く良心的ではなかった。まず結論から言うと、電車内はこちらと同じ学校の学生はもちろん、ほかの学校の学生やら社会人などであふれかえっていた。各駅で下車する人数は様々だが、場所によっては10人も下りない駅もある。だから俺は最後の最後まで座ることができなかった。できるだけ楽をしたいんだがなぁ…。
車掌さんに定期券を提示して、俺はそのまま学校に向かったが、人によっては真横のコンビニに行ったりと、意外と高校生にも尊厳というものは無いようだ。コンビニ組じゃない方は道路を挟んだ先にある学校に向かうための信号待ちを強いられていた。どうやら電車がつくタイミングと信号が変わるタイミングが良くないらしく、ちょうどよく赤信号に変わるのだ。これにはため息もでてしまう。
昇降口で自分のクラスを確認してから階段を上がる。1年生の教室は3階だという。教室に入ると前の学校からの知り合いであろう面々がそれぞれ駄弁っていた。俺は座席表を確認し、自分の席に着いた。前の席には誰も座っておらず、後ろの席には眼鏡をかけたいかにも静かそうな女子が座っていた。とりあえず挨拶をしておこうと思い声をかけた。
「お、おはよう」
「…おはよう」
教室内が思いのほかざわついているからか声が聞こえずらかった。それでもおはようという口の動きは飽きるほど見ていたため何を言っているかはわかった。まあ声が聞こえずらいのはその声を発した本人の声が小さかっただけだろう。最初の会話が挨拶だけでは物足りないだろうと思ったが、それは俺だけだったようだ。
朝のホームルームまでもう少し。なにをして時間をつぶすかな。
自己紹介だそうだ。初日の印象付けといえばこれだろうが、俺は別に人気者になりたいわけではない。だから挨拶は「1年間よろしく~」と手短にすませた。全員の自己紹介が済んだところで、始業式へと移行した。始まってしまうらしい。高校生活というものが。
帰りのホームルームを終えた後、何を血迷ったのか俺は校内を探検していた。これが一瞬の気の迷いだったのだろう。俺はこの日の自分をぶちのめしてやりたい。俺は屋上へ上がる階段で1人の少女を見つけてしまった。
「誰?」
こちらに振り返ってからの第一声がそれかよ、と思ったがまあ誰だってそう思うだろう。俺が質問に応じて名乗ろうとした。のだが、それは彼女の言葉にさえぎられた。
「あぁ、あんたか。それで、なんのよう?」
「あれ、どっかで会ったか?」
「あんたか」なんて急に言われても俺は面識なんてないぞ。俺は反射的にどこかで会ったかと聞き返してしまった。すると、驚きの答えが返ってきた。
「これでわかる?」
彼女は眼鏡をかけてそう言った。
目の前にいる少女の正体がわかった時俺は唖然とした。それは、俺が今朝挨拶を交わした後ろの席の女子だった。あんなに静かそうだった少女が放ったとは思えない声は、耳によく通った。そして彼女が行っている行為は立ち入り禁止の屋上へと足を踏み入れることだった。
「そこでなにしてるんだ」
「見たらわかるじゃない、屋上に行こうとしてるのよ」
「屋上は立ち入り禁止だろうが」
「細かいことを気にしすぎよ、そういう男はモテないわよ」
別にモテたいわけではないのだが。この場合はどうすればいいんだ?そのまま帰るか、それとも先生を呼んでくるかだが。
「あ、そうだ!あんた、手伝いなさいよ!」
なにをだ。
「いまからここで宇宙人を呼ぼうと思ってるの!」
だめだこいつ。これじゃまるで昔の俺じゃないか。まだあの頃の好奇心が残っているのは大いに結構、だがそれにも限度というものがある。
「まだ宇宙人が存在するとか思ってるのか?そういうのはとっくの昔に卒ぎょ…」
「つべこべ言わずにさっさと来い!」
校内探検なんてしなければよかったと、切に思っていた。
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時刻は午後8時。こんな時間まで残っていたのは、わかっているであろう宇宙人を呼ぶためだった。まあ案の定来るわけもなかったのだが、彼女はまだ諦めていないようで、ぶつぶつと何かを考えていた。もう面倒なことには巻き込まれたくないぞ。
奇遇にも彼女も電車通学だった。8時にもなると学生は見当たらず、俺たちの2人だけだった。そんな時にふと思い出したのが、彼女の名前だ。
「そういえば、俺はお前の名前を聞いていなかったぞ」
「そういえばそうね」
ああそうさ。え、そうねで終わり?名前は?What your name?
「あ、名前か。私は時雨よ、よろしくね」
行動こそよくわからないが、中身はしっかりしているらしい。だが今は名前よりも聞きたいことがあったのだ。
「そういえば、なんで宇宙人を呼ぼうとしたんだ?」
「それは…」
彼女は少し考えた後にこう答えた。
「私ね、今の普通すぎる生活に飽きてきてるのよ。だから中学生の時も何度か同じことをしてたし、そのたびに親に怒られてた。でもなにより、面白いほうがいいじゃない!」
そう言った時、時雨の目は輝いていた。
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次の日、靴箱を開けると一通の手紙が入っていた。差出人は大体予想がつくが…
確認してみるとやはり、時雨からの手紙だった。文面はこうだ
昨日はありがとう。
引き続き今日もよろしく!
昨日の場所にて待つ。
時雨
やれやれ…面倒なことは避けたいんだがな。
そもそも校内のことなど、移動教室やら先生への用事やらで、いやでも頭に入ってくるし、別に行かない場所もあるんだろうから探検はしなくていいことだったのだ。
自分から進んで面倒ごとを実行していたとはな、自分に呆れてしまう。こんな人間だったか?俺は。
宇宙人を呼ぶなんてことをしでかす奴だから、そのうち変な部活でも作りそうだ。その時になったら俺も強制的に入部させられそうだ。
そして放課後。
「部活を作ろうと思うの」
そう来るだろうと思ったよ。
悪いところが一目瞭然でしたよね?
次回からだんだん直すように努力していきます。