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ギャップ

人はだいたい見た目で左右されることの方が多い。中身も外見もあって初めてその人だと言える。

見た目とは違うギャップがあって、騙された気分になったとしても。

それが人間の面白みっていうやつなんでしょう。


◆◇◆部屋◆◇◆


「カナメ起きなさい。」


一階から名前を呼ばれて気が付くと毛布と一緒に床で寝ていることに気が付いた。

カナメはまだ、フラフラとする頭を抱えて起き上がる。

朝は苦手だ。けど、誰かに起こされるのは一人じゃない安心感がして嫌いじゃない。


学校に行く準備をするため階段を下りると、玄関からバタバタと慌ただしい母の足音がきこえてくる。


「急いでるから、先に出るわね。ご飯きちんと食べてていくのよ。」


玄関のドアが開閉された音が聞こえると。家の中は一気に寂しくなった。

リビングに入ると香しい香りがまだ残っていて。机には、目玉焼きと少し焦げた食パンが置いてある。

それを黙々と食べ終わると、学校へ行く支度に取り掛かった。


◆◇◆学校◆◇◆


どうしたらそんな本に夢中になれるの事件があってからというもの、学校でも先生に本を抑制されるようになっていた。

本を手にした途端、やたらと話しかけてきて。いい天気だなんだのってグラウンドへと誘導してくるのだ。


◆◇◆グラウンド(放課後)◆◇◆


(こっちだって休み時間ぐらい自由にしたっていいじゃない。本読んだっていいじゃない。

それはまぁ、事件で心配かけたのは謝りますけれども・・・。しばらくは学校でも本が禁止区域に入ってしまい本気で辛い。)


「っていう独り言。」

「・・・ずいぶんと長い独り言。てか、聞いてくださいとばかりに横でつぶやくなよ。」


花壇の前で雑談する二人。カナメが空を見上げ立っている横で、優斗が人差し指で砂をいじりながら聞き飽きたと言いたそうな顔で話を聞いている。


「気のせいか、朝礼後にも聞いた。」

「いった。」

「昼休みにも。」

「・・・いった。」

「だよね。聞き飽きたわ。」


そういって優斗は立ち上がるなり、続けてしゃべりだす。


「頭だって休憩が必要なんだよ。・・・あれ、健太と加月かな?カナメ気分転換にサッカーしようぜ。いーれーてー!」


優斗が大きく手を振った少し離れた先には、サッカーをしている二人の少年がいて。

サイレントでボールを指さし。こちらの意志を確認するとオッケーのサインを出してくれた。


「おっ、来たね優斗くん。」

「カナメも一緒か?珍しいやん。」


この短髪の少年が健太ケンタと可愛らしい中性的な少年は加月カツキ

優斗と同じく変わり者の俺に、よくからんでくるクラスメイトである。


「じゃあ、さっそく。」

「あかん、あかん!!」

「え?」


短髪健太に止められ、カナメと優斗から離れた所まで可愛い加月が連れ去られる。

カナメと優斗に話を聞かれてないのを確認すると健太はヒソヒソと話を進めた。


「優斗は何でもできるって有名で知ってるやろけど、カナメは優斗より運動神経だけは上やで。」

「眼鏡=運動音痴じゃないんだね。」

(ギャップ(や)(だね))

「ということは、二人が組んでしまったら勝ち目がないってこと?」


結論が出た二人は、同時に無言の相づちをして。待っている二人の元に戻った。


「2対2でジャンケンして別れうよ。僕は健太とするね。」


「よーし、カナメ今回ばかりはお前に勝つ。ジャンケン・・・。」

「毎回言うけど優斗には手加減しないから。ジャンケン・・・。」


作戦成功に二人は小さくガッツをした。


・・・それから結局少しの点差でカナメと加月のチームが勝って。おとなしく解散することになった。


「しきしょー!カナメ眼鏡やめやー!」

「そーだ!それはスポーツできん奴がするんぞー!w」(優斗の悪のり。)


「ちょっと意味わからん。」

「悔しかったんだねー。」


そういって二人のやり取りに対しカナメは呆れ顔を作り。加月はただ可笑しくて笑っていたそのとき。



・・・カナメの意識は突然なくなり、目の前が真っ暗になった。

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