分岐点
好き勝手に書いた作品です。
現実に疲れた人、言の世界で休憩しませんか。
少しでも気分転換になったならば幸いです。
誰しも、子ども・・・そう呼ばれる時代があったことに違いない。
純粋で無垢。新しい発見に目を輝かせ、大人とは違う遊びに夢中になった。
いつからか、創造しなくなった秘密基地という場所は今はどこに行ってしまったのだろう。
これは、私の・・・私たちの物語。
◇◆◇◆◇◆◇
「アトランティスって、知ってる?」
「ああ、深海の?」
たいして大きくもないグラウンドが一望できる教室の隅。沈み始めた太陽は、一つの机を間にはさみ座って雑談している短髪の少年と可愛らしい中性的な少年を明るく照らしていた。
話の途中、短髪の少年は友人の知らないことを知っている優越感が嬉しかったのか満面の笑みでこう言った
「えー、違うよ。教えてやろうか???w」
「もったいぶるなよー。」
そんなやり取りが可笑しくて、2人は顔を見合わせてクスクスと笑う。
「願いをなんでも1つだけ叶えてくれるサイトだって、ネットワークの奥深くにあるらしい。」
「へー・・・。」
「信じてないな。・・・おれも!w」
信じられない話のバカバカしさに二人して口を大きく開け笑う所がまた愛らしい。
「はは、どっから手に入れたよそのがせねた。」
「うわさだよ。あっ、でもあの怪資料館の出らしいぜ。」
「マジで言ってんの?俺あそこはいる勇気ないわー。」
「おれも。・・・カナメはどう思う?」
と唐突に隣の席で厚い本を読んでいる彼に問い掛ける。眼鏡をかけて、いかにも本を読んでそうな少年である。
「うーん・・・誰もいないしボロだけど面白い本が沢山そろってた。」
彼は本の間に指を挟んだまま答える。
「えっっ!勇者だな、行ったことあんのかよ?どうせ本を目当てに行ったんだろう。」
「もちろん。」
ちょっとした沈黙が彼らの会話を遮った。
「・・・理解が難しいや。じゃあな、ちゃんと外でも遊べよ。」
「そうだぞ!本大好き少年。」
2人は、肩を軽く叩いてグラウンドへと走って行った。
「・・・はいはい。」
二人の言葉を軽く流して、少年は再び本に向き直ったのだった。
俺はまだ、この先一生忘れられない出来事が起こるなんて思ってもしなかったんだ・・・
目を通してくださった方ありがとうございます。
まだまだおぼつかない文章ですが、チャンスがある限り物語を紡いでいきたいと考えています。次話もよろしくお願いします。
自分の言葉が届きますよう。