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【書籍化決定!】【R15版】変態リケジョちゃんは追放魔族の“珍(ちん)”な部分に興味があるようです。  作者: 真星 紗夜


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06.初めてのゴブリン捕獲作戦。


 こんな街からそう離れていない場所にゴブリンが現れるなんてな。

 

 久しぶりに見るゴブリンはサイズの割に弱そうに感じた。

 いや、俺たちパーティが強くて頼もしいだけだ。


「グギャァアァァオ!!」


 ゴブリンが雄叫びを上げ、俺らに向かって飛び込んでくる。


(ミズナを中心に陣形展開!ヒルクは注意を引いてくれ!)


「「了解!!」」


 狙い通り、ゴブリンはヒルクに気を取られた。


「カギャァァ!!ムキャオ!!」


 ゴブリンが左手でヒルクを捉えた次の瞬間、


 ゴォォォォ!!


 ゴブリンは手のひらから激しい熱波を放つ。

 しかし、ヒルクの盾はしっかりと受け止めている。


「のわっ!あっちぃぃ!」


 ヒルクの盾はアイアン製だ。

 いずれ熱が伝われば持っていられなくなる。

 くそっ、相性が悪いな。


 俺はすかさずミズナに次の指示を伝える。


(ミズナ!アクアタンク発射だ!ヒルクの盾を狙うんだ!)


「了解なのよっ!」

 

 プシャァァ!


 徐々に熱を帯び始めたヒルクの盾を癒しの水が冷やす。


(ヒルク!そのままゴブリンの顔面めがけて突進だ!

 この隙に一気に行くぞ!ユータン!)


「あいよっ!」


 ヒルクの盾で視界を奪われるゴブリンに、死角からユータンが距離を詰める。

 その走りはアサシンかの如く無音に近かった。


 魔族のトップやジェイみたいに荒々しいやり方じゃなく、みんな指揮通り着実に仕事をしてくれる。

 これが、人間の強さなんだ...。


 ユータンはゴブリンの背後に回り込むと、愛用のソードの柄で後頭部を殴打した。


「グ...、ギ...。」


 ゴブリンは平衡感覚を失い、地面に倒れ込む。


「これで終わりだ!」


 俺はすかさず鎖を投げ、ゴブリンの腕と胴体を絡め取って捕縛した。


 ゴブリンはこれ以上抵抗しなかった。

 


「ふぅ...。みんなのおかげで何とか捕まえられたぜ。

 ありがとうな。」


「ウチら指揮通りに動いてただけさね!

 アンタのおかげだよ、コウ。」


「やっぱ相棒の作戦はすげぇよ!

 まさか俺らだけで仕留めちまえるなんてな!」


「アタシなんて、本当に何もしてないのよ...。」


 初めてのゴブリン戦を終え、みんなは安堵し、喜びを分かち合った。


 今日はもう遅い。

 ミズナの家に連れて帰って、明日にでも王国に引き渡す事にした。


・・・・・・・・・・・・・・・


 すっかり日は暮れていた。

 双子は途中で別れ、ミズナと二人で帰宅する。


「なぁ。このゴブリン、明日まで大丈夫かな?」


「しっかり鎖で縛ってるし、きっと大丈夫なのよ!

 それに、引き渡す前に調べちゃいたい事もあるのよ。」


「そっか。ミズナは熱心なんだな。」


「うん。アタシは何としてもこの世の秘密を知りたい。

 きっとこの世界は、何かを隠してる気がするのよ。」


 ミズナは普段見せない真剣な表情をしていた。

 

「んじゃ、邪魔しちゃ悪いから俺は寝るよ。」


「あっ、待ってコウ!ゴブリンと二人は流石に怖いから、...今日はアタシの部屋で一緒に寝て欲しいのよ♡」


 ...なっ!まさかの展開キターー!!

 こりゃ頑張ったかいがあったってもんだ。


「え...、い...、一緒にって、ミズナのベッドで...?ですか?」


「当たり前なのよ〜!一つしかベッドないんだから。

 てか、また何で敬語なのよ...。」


 マズい!

 このままだと前屈みでベッドへ向かう事になる。


「アタシは少し研究してるから、先にベッドに入ってていいのよ。

 今晩は冷えるみたいだから暖めておいて欲しいのよ!」


 ...///


 完全に前屈み九十度でミズナのベッドへ向かう。

 毛布を上げた時に香るそれは、まさにフラワーガーデンだった...。

 

 ベッドに入ると、俺はとにかくバレないように仰向け以外の態勢を取った。

 眠ったフリをしてミズナを待とうと思ったが、思いの外疲れていて、寝落ちしてしまった...。


・・・・・・・・・・・・・・・


「キャー!!!」


 ミズナの悲鳴で目が覚めた。

 外はまだ暗く、まだ夜中みたいだ。


「ミズナ!どうしたっ⁉︎」


 飛び起きてミズナの方に目をやると...、


 ミズナの右腕がゴブリンに噛みつかれていた。


 ...!


 俺は本気でゴブリンの頭を殴り、口の中に両手を捻じ込み、アゴを裂く勢いで広げた。


「おい!ミズナ!しっかりしろ!!」


 噛まれていた腕を見ると、血は出ていない様子だ。

 このゴブリン、歯がなかったのか...。

 しかし、皮膚は紫色に変色していた。


「...ビ、ビックリしたのよ〜!」


 ミズナは泣きそうな表情だった。


「ごめんな!俺がもっとしっかり鎖で縛っておけば、こんな事には...!」


 俺は激しく後悔した。

 キツく縛らなかった昨日の俺を殴りたい。


 ミズナの噛まれた腕を優しく撫でる。


「大丈夫なのよ...!何日かすれば治るのよ。

 って、コウの手冷たいっ!」


「そんなに冷たいかっ?ごめんごめん。」


 この時、俺も気づいていた。

 魔族やゴブリンと違い、俺の手から放たれる冷気の存在に。


 やっと落ち着いたミズナを守るように、俺たちはベッドで眠りについた。


・・・・・・・・・・・・・・・


 窓から刺す光で俺は目を覚ます。


 目の前にはスヤスヤと眠るミズナの顔があった。

 こうして見ると、まだまだ子供の顔なんだなと思った。


 俺はミズナを起こさないようにベッドから出る。

 リビングで紅茶を淹れ、今後の作戦を考えていた。


 しばらくすると、遠くから話し声がした。

 俺はマントを被り、窓からこっそり外を見る。

 ヒルクとユータンだった。

 

 俺は玄関を開け、二人を迎え入れた。


「おはよう。ヒルク、ユータン。

 ミズナは遅くまで研究してたみたいで、まだ部屋で寝てるぜ。」


 ミズナの部屋の方を見ると、ちょうど起きてきた。


「おはようなのよ。ユータン、ヒルク。」


「...ど、どうしたんだよ!その腕!」


 驚いた表情のヒルク。

 ミズナはすっかり落ち着いた様子で冷静に答える。


「昨日、ゴブリンの遺伝子を取り終えてウトウトしてたら、急に噛みつかれちゃったのよ。

 けどそのゴブリン、歯がなかったみたいで助かったのよ...!」


「そうだったのか...。まあ、不幸中の幸いというか、腕が千切れたりしなくて良かったぜ。」


 腕は痛々しく見えるが、ミズナは笑顔で話し始める。


「でね!大事なのはここからなのよ。

 遺伝子を調べた結果なんだけど、人間の遺伝子と完全に一致したの...。

 これって、どういう事だと思う...?」


「そうさねぇ。

 間違いじゃないんなら、ゴブリンは長い時間をかけて人間から進化...?」

 

「いや、そうじゃないと思うぜ。姉貴。

 そもそもこのゴブリン自体が人間として生まれたにも関わらず、ゴブリンに変化したって事だろ?」


「アタシもヒルクと同じ意見なのよ。

 あり得ないと思って再検査したけど、結果は同じだった。」


 ...なに⁉︎

 ゴブリンが元々人間だった⁉︎

 肌は青く、耳は尖っている。

 どちらかと言うと、俺たち魔族に近い種族だろ。

 

 俺はこの事実が受け入れられず、ミズナに魔族についても調べるよう頼む。


「待ってくれミズナ!俺の遺伝子も調べてくれ...!」


「ありがと。コウ。

 アタシも今から頼もうと思っていたところなのよ。

 じゃあ、そこに横になってもらってもいい?」


 俺はベッドに横たわり、ミズナに顎を押さえられ、甘い息のかかる程の近さにミズナの真剣な顔がある。

 そして、ミズナの華奢な指が口の中へ侵入して粘膜を採取された。

 ...ふぅ。なんかエロい気分になりかけた。


「よし!これでオッケーなのよ!

 結果が出るまで二、三時間かかるから、その間に国王の宮殿へゴブリンを引き渡しに行くのよ!

 けど、宮殿の周辺は魔族探しに目を光らせてるはずなのよ。

 コウはお留守番してた方がいいと思うんだけど、どう?」


「分かった。俺は家で今後の作戦でも考えてるよ。

 気をつけて行ってきてくれ。

 ヒルクとユータンはミズナの事、頼んだぞ。」


「ああ!行ってくるぜ!」


 三人はゴブリンを連れて玄関から出て行った。


 ...さて、俺の手から溢れ出るこの冷気。

 ゴブリンとの戦闘で活かす方法でも考えるか。

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 ※作者は特級の声優ヲタです。キャラクターの脳内再生CVなど、お気軽に自由なコメント待ってます!

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