第1話 歌う声
前書き…あ、漫画のめくったところのやつ?
お腹空きました。何か恵んでください。カツか唐揚げがいいです。
男子高校生 目黒望は不登校だ。
4階建てマンションの3階に住み、入学早々ある日を境に学校へ行かなくなった。一月が経ち、桜の花びらは全て散り緑が生い茂る。夕刻、見覚えのある女子高生がインターホンを鳴らす。
——それが始まりだった。
第1話 歌う声
ピンポーン
「たく…はい?…」
カーテンを閉め切り、袋や缶が散らかるワンルームの部屋で、高校生 目黒はベットの上で寝転んでいた。
「今は…なん、じ…」
頭上のスマホに触れ、片目をやる。
16:00
玉ねぎのような髪型をした少年は、スマホを持ったまま寝返りを打つ。毛先が白い壁側へ倒れた。
(宅配なんか…頼んでないんだけど)
僕、目黒望は不登校だ。この時間に起きるには少し早い。スマホの画面が暗くなる。
「んー…めんど…」
理由は教えたくない。思い出したくもない。けれど、
「ん…なんか聞こえ…」
この答えはいつか、明かされる。
微かに聞こえる女性の声。それはリズム良く、歌ってるように聞こえて語りかける。
『…しっ…るよ…き…♪…』
いい発声だけれど、途切れる。僕は重い体を起こして、慣れた手つきでスマホをポケットにスッと入れる。散らかる床を器用に避けながら歩く。間仕切りのカーテンを開けて、玄関へと続く細い1人分の薄暗い廊下へ。
『ビクン…震えてさ…声もダダ漏れなんだわ♪』
リズミカルな歌声がはっきりとしてくる。ビクンビクン??
『正直に…言っちゃえよ バレてるんだし言っちゃえよ 効いてんの?…♪』
言いたくない…なのにこの歌は吐き出せそうな歌だった。胸の鼓動が高鳴り、小綺麗な玄関前に立つ僕は…僕は…
『普通普通 恥ずかしい?みんな隠しているだけ ムッフー♪』
のぞき穴を覗いた。
ドアに手をつく音が響くぐらいの勢いで。
初投稿となります。
ぶっちゃけるとDECO*27さんの楽曲「モニタリング」からインスパイアを強く受けました。ベストフレンドで一気に話が続いていることに感動してしまって、勢いで書いています。休憩の合間に書いてるので、誤字があったらよろしく。
decoさんありがとう。それではまた。




