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第3話 幽霊さんはいたずらがしたい

新居生活2日目

起きた時には、幽霊さんの姿はなかった

夢だったのかな……でもはっきり記憶がある

深夜にしか出てこれないのかもしれない

また深夜起きてみるか


とりあえずその日は引越し業者さんから受け取った

大荷物を移動させてたらすっかり夜になっていた

流石に疲れたな……

幽霊さん、いつから出てこれるんだろう

早く会いたいな

お風呂すませて、テレビでも見よう


シャワーを浴びて、汗を流す

はあ〜癒されるなぁ……

湯気の向こうに、誰かが立っている気配がする……

ん?なんかヌメっとしたような……

排水溝に髪の毛いっぱいあるぅ!!!?



【クスクスクス……どうだ?驚いたか?】


いつの間にか後ろに幽霊さんが現れて

思わずちょっとジャンプしてしまう

もちろん声は出ないので、幽霊さんからみたら

ただぴょんと跳ねただけにしか見えないかも

スマホがないので

やめてくださいよ!と身振り手振りで伝えようとするけど

さすがに伝わらない



【む?そうか、お前スマホがないと私と喋れないのか】


幽霊さんはまじまじと私を見つめ

ニタァと嫌な笑顔をする

な、何をする気……?


するとひとりでに掃除用ブラシが動き出し

私の横腹をつついた

思わずビクッ!と身体を震わせる

今度はタオル二枚が宙に浮いて

私の両手を縛る

な、ななななにを!!?


【昨日は可愛いを何度も伝えられて不覚をとったからな……今日はお前にイタズラをすることにした】


い、イタズラ!?

まさか幽霊さんにあんなことやこんなことをされるの!?

同人誌みたいにめちゃくちゃに……

それもいい……


【……お前、なんか喜んでないか?】


必死に首を横に振る

喜んでるのバレたらイタズラやめちゃう!

ここは必死に嫌がってる振りを……


【というか、体、凄く綺麗だな……けしからん、やれ】


幽霊さんの号令と共に

周りにあったブラシやシャワーが一斉攻撃を始める

脇や横腹を的確に攻めてきて

体をよじって避けようとするけど

なんだか体が固くて上手く動けない


声が出せないから吐息だけが激しく漏れて

【もういい】という言葉が聞こえた頃には死にかけていた


【お前……さてはドMだな……?】


け、決してそんなことは無い

多分幽霊さんがしてくれてるからこんなに喜んでるのであって……

ダメだ、今の私は変なことしか考えない


疲弊して動けない私を

バスタオルが優しく拭いてくれる


【しかし、イタズラも声がないとあまり面白くないな。まあお前は反応がいいから、たまに遊んでやる】


またやってくれるの……!?違う違う

私は外に置いてあったスマホをとり

『もう二度としないでください!』と見せた


【ほう、本当に?】


……

…………

………………


『こ、こうやって遊んでくれるの嬉しいからぁ、たまにはいいですよ???』


【……キモ】


好感度が下がってしまった……


【さっさと服を着ろ。風邪をひくぞ】


誰のせいだと思って……

【私のせいとか思ってるなら、今白状したら許してやるぞ】

バレてる!?超能力者!?


さっさと着替えて

敷布団に寝転がり、日本人形を抱っこする


『そういえば、物とか浮かせられるんですね?』


【あぁ、ここの家全体の怨霊だからな。お前が色んなものを持ってきてくれれば、それを操作することくらいはできるぞ】


幽霊さんはそう言って

そばにあった掃除機を起動させ

近くの埃を掃除させる

え、家事できるってこと!?凄い!


『一緒に家事が出来るってことですか!?』


【……まるで結婚ですねとか邪なこと考えていないか?】


『そなことなきてすよ?!?』


【誤字だらけ……フッ、当たったな】


クスッと笑ってくれる幽霊さん

あれ、ちゃんと笑ったの初めて見た

『可愛い……』


【なっ、また可愛いって…やめろほんとに!!】


こんな日々が続くなら

一人暮らしも大成功かもしれないな

あわよくば幽霊さんと愛の同居生活なんて……

あはは、浮かれすぎかな?



【ま、まさか本当にこいつは私が……?いやいや、ありえんな……】




おまけ 引越し業者さん


「なあ、今日の荷物の届け先、例のあの場所だとよ」


「またかよ、長らく依頼来なかったから、もう潰れたかと思ったぜ」


「まだこんな田舎に物好きいるんだな〜また引っ越すってなって運ぶの俺らだから勘弁して欲しいぜ」


「お、女の子が玄関で待ってる、今回引っ越してきたのあの子か」


女の子はダンボールを抱えていて

その上には『暑い中ご苦労様です』と書いてある紙が貼られてた

中身はスポドリや塩分飴だ


「え、ええ?いいんですか?こんなもらっちゃって」


女の子はコクコクと頷く


「あ、ありがとうございます。お客さんは座っててください。運びますので」


女の子は首を横に振る

どうやら手伝いたいようだ


その後、無事荷物は届け終わり

帰りのトラックの中では

行きとは違い、「いい子だったな」等

ポジティブな感想が産まれたそうな

プロフィール

幽霊さん

見た目は大学生くらい 身長166センチ

白髪ボブヘア


生きる希望が見いだせず、路頭に迷い最後には自殺をしてしまった

事故物件に取り憑くようになってからは

呑気にきた人たちを脅かすことを趣味としている

柊奈のことを何度も脅かそうとするが

可愛いで一蹴されるせいで自信をなくしている


しかし可愛いとは生きてきた頃に言われたことないおかげで

私の事好きなのでは?という勘違いから少しずつ感情が動き出していく

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