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王都の大理石の宮殿は、陽光を浴びてきらきらと輝いていた。

豪奢な装飾と荘厳な天井が、ここが王の居城であることを静かに語る。


アントニオ・コロマ・ニコラスは、隣国の王子として正式に謁見の場に臨んでいた。

彼は彫りの深い顔立ちを引き締め、品位ある姿勢で玉座の前に立つ。


「おお、アントニオ殿。遠路はるばるようこそわが国へ」

重厚な声が宮殿の広間に響いた。


玉座には威厳ある老王が腰を下ろしている。

国を束ねる者としての威厳が、その姿から滲み出ていた。


「陛下、ご厚意に感謝いたします」

アントニオは深く一礼した。


王はにっこりと微笑み、周囲の侍臣たちを制して言った。

「今日は特別に、秘密の話を聞かせてほしいと申す。隣国の若き王子よ」


アントニオは静かにうなずいた。

「ありがとうございます。実は、私が調査している問題がございます」


彼は周囲を警戒しつつも、玉座の王にのみ向けて声を潜めた。

「チャームと呼ばれる魔法の影響についてです」


王の眉がわずかに動いた。

「チャーム…それは聞き及んでいる。感情を乱し、人の心を惑わす魔法だな」


アントニオは頷き、続けた。

「はい。この魔法は我々の想像以上に強力で、王子殿下をはじめ多くの貴族が影響を受けております。彼らの心は混乱し、政治的な均衡が乱れる危険がある」


王は深く考え込んだ様子で言った。

「それは看過できぬ問題だ。我が国にも影響が及ぶかもしれぬ」


アントニオは目を細め、慎重に言葉を選ぶ。

「そのため、我々は密かに対策を講じております。魔法解除の腕輪を開発し、効果を試みておりますが、まだ完全な解決には至っておりません」


王は静かにうなずき、決意を示すように言った。

「隣国との協力は必須だ。我が国の魔術師も動員し、共に対策を練ろう」


アントニオは感謝の意を込めて答えた。

「ありがとうございます、陛下。我々の未来のため、共に戦いましょう」


短い謁見の場だったが、その内容は国の命運を左右しかねない重大なものだった。

アントニオは宮殿を後にしながら、静かに覚悟を固めていた。


「この問題は政治の場でも静かに進めねばならぬ」

彼の心には、ジルやミシュリーヌ、クリスたちへの責任感が強く刻まれていた。

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