15
スティーブ・パンジョン
スティーブは窓辺に立ち、遠くの夜空を見つめていた。
婚約者イサベラの姿が浮かぶが、心の奥に別の影も忍び寄る。
無意識に惹かれる誰かの存在に戸惑い、自分自身の感情の揺れに苦しんでいた。
「どうして、こんな気持ちが……?」
彼は拳を握りしめ、頭を抱えた。
王子ダレン
王子ダレンは宮廷の豪華な応接室で、深いため息をついた。
王子の婚約者ジュリエットとの間に微妙な距離を感じつつも、心は他の存在へと引き寄せられていた。
「ジュリエットは美しい。しかし、なぜ私は彼女に素直になれないのか……」
王子は鏡に映る自分の瞳を見つめ、答えのない問いに沈んでいた。
騎士副長の息子ロナルド・メイソン
ロナルドは剣の稽古場で汗を流しながらも、心は乱れていた。
幼い頃からの厳しい訓練の中で、強くあろうと自分を奮い立たせてきたが、今はその理性が揺らぐ。
「なぜ、あの娘のことばかり考えてしまうのだ……?」
彼は木刀を置き、俯いた。
文官長の息子サム・プリスコット
サムは書斎で書類に目を通しながらも、集中できずにいた。
政治家の息子としての責務と、自分の心の間で引き裂かれる思いを抱えている。
「この気持ちは本物なのか?それとも魔法のせいなのか?」
疑念と葛藤が彼の胸を締めつけた。
宰相の息子デビッド・フォックス
デビッドは夜の城壁を一人歩きながら、自らの心の揺れを確かめていた。
冷静な理性と、抑えきれない感情の狭間で揺れ動く自分に戸惑っている。
「魔法がなければ、こんなに苦しまなくていいのに……」
彼は拳を握りしめ、闇に向かって呟いた。
それぞれが、チャームの魔法に翻弄されながらも、自分の気持ちと向き合い始めている。
この嵐がいつか収まることを願いつつ、物語は次の展開へと進んでいく。