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薄暗い路地を抜け、小さな扉を押し開くと、そこは錬金術と魔道具の専門家が営む店だった。

内部は無数の奇妙な器具と秘薬が並び、微かな香辛料の匂いが漂う。


「おや、君かね、アントニオ・コロマ・ニコラス殿のご紹介の……ああ、君がジルさんか」


白髭の老人がにこやかに迎え入れた。

その眼光は鋭く、確かな技術と知識を感じさせる。


「チャームの魔法の影響を和らげる魔道具を探していると聞いた」


「はい。対象者の感情を乱すこの魔法の力を抑える何かが必要なのです」


私は静かに答えた。


老人は棚から細い銀の腕輪を取り出す。


「これは“心鎮しんちんの腕輪”。装着者の感情の波を安定させ、外部からの魔法干渉を緩和する特別な品だ」


アントニオが感心した声で言う。


「まさに求めていたものだ。これで少なくとも、チャームの影響を弱められるだろう」


「しかし、これは万能ではない。強力な魔法には限界がある。装着者の自覚と意志も必要だ」


老人は慎重に説明した。


私は腕輪を手に取り、心に決めた。


「この腕輪をクリスに渡し、彼女自身にも自分の力を理解してもらう。そうしなければ、混乱は収まらない」


ミシュリーヌ夫人も厳しい表情で頷いた。


「皆の未来のために、頑張りましょう」


三人の決意は固かった。

魔法の渦中にいる少女を救うため、次の行動が始まった。

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