ボス
ドンッ!
重い銃声の響かせながらオークを仕留める。レベルは30となり、レベル的には脱初心者と言えるだろう。レベリングした感じ、オークが1割、スライムやゴブリン、ウルフなどが3割ずつと綺麗にゲーム内始まりの街周辺のモンスター分布と同じである。これがここだけなのかそれとも世界的にそうなのかはわからない。ただここを始まりの街とするなら東西南北にボスがいることになる。ゲーム初期はこのボスたちにより流通が止まり、このままでは餓死地獄となってしまうなどという隠し限定クエストもあった。そういう意味ではこのままだと俺もリアルに餓死コースだ。だがボスはレベル30。今の俺と同等だ。さらに始まりの街周辺は夜に赤い月が浮かぶとユニークボスモンスターなどという神出鬼没のボスも現れる。今夜、やつが現れるかわからないがこいつのレベルは75という明らかに初心者の街にいていいやつではない。そうなるとやることは1つしかない。
「····················周回かぁ。」
またの名をボスマラソン。レベリングの一種ではあるがソロにはやや厳しい。普通ならパーティーでやるものだが俺と同じプレイヤーがこの街にいるとは限らない。ここはリアルだ。コンティニューなんてものはなく普通に痛みもある。欠損もある。このままではいずれこの町はユニークボスによって完全に滅ぼされる。
「·······················よし。行くか。」