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異世界ペルソナーズラブストーリー  作者: 美飾レイ
第一章
3/32

サマラ編 3

朝からなにやら慌ただしい。

一人で朝食をとった。

今日は世話役のキララが、朝食の後片付けをしてくれている。

「今日はなにかあるの?」

キララに訊いた。

「ランバダで、水源が発見されたとかで、調査に向かうとか」

「上手く発掘できたら、国益にもなるわね」

「はい、国民は喜びます」

「フェデルクス王子も?」

「はい、マスキート王子もご一緒で」

「マスキート王子?」

「第三宮殿に住む弟君です」

王子に弟がいたんだ。

「カレン姫もご一緒だそうです」


カレン姫も……狙いはどちらの王子?


「私も同行します」

カレン姫に抜かれるわけには……。

「かしこまりました。で、では急いでご準備を」

キララは突然の予定変更に、慌てた様子で部屋を出ていった。

わがままを言ってしまったかな?


宮殿広場。

何頭ものラモダが、荷車を引いている。

護衛の兵隊も剣を腰につけ、盾を背負ったまま、ラモダの手綱を握っている。

私もラモダの背中にのせた座席に座っていた。

ラモダは、砂漠での行き来に適した動物だった。

人間に慣れていて、誘導しなくても先頭のラモダに皆ついて歩いている。


「どう? ラモダの乗り心地は?」

「ええ、とても快適で、もっと揺れるかと思いましたけど」


出発前にマスキート王子とも挨拶を交わした。

気取らない王子、すぐに打ち解けた。

王子も仮面をつけている。

金髪が日光を吸収して光っている。やはり、素顔が気になってしまう。

「マスキート王子」

カレン姫をのせたラモダが割って入る。手綱をもっているので、操縦にも慣れているよう。

二人の間に無理やり割り込むなんて……。

なんとなく、仮面の裏に隠れた女心が読めてきた。

「マスキート様、新たな水源から水が引けたら、さらに国が潤いますわね」

カレン姫の唇は、植物性のルージュで自然なツヤを見せていた。


サボテンの花が咲いている。

ヤモリのような爬虫類がはっていたり。


私の隣に、フェデルクス王子のラモダが寄ってきた。

「暑くないかい?」

日差しは強い。

地面からも照り付ける。

「これを使うといい」

王子は日傘を差し出してくれた。

「お気遣いに感謝いたします」

手を伸ばした時、

キャッ!!

日傘を落とした。

カレン姫のラモダがぶつかってきた。

「ごめんなさい。暴走してしまって」

わざとだ!!


私のラモダは、追い出されてしまった。


口調は上品なのに、下品な笑い声。

カレン姫はフェデルクス王子との会話を夢中で楽しんでいた。

負けないから……闘志が芽生える。


太陽が傾きだした。

乾いた風が頬を伝わり流れていく。

一行は止まった。

ここだけは緑に囲まれていた。

小さいけど水源に間違いはない。

皆、ラモダから降りた。

「水質を調べる必要がある」

フェデルクス王子の命令で、白衣を着た研究員が水を採集する。

「場所の地図は?」

「しっかり書きとめてあります」

ここまでのルートも宮殿高官が作成していた。


荷車から国の旗が下ろされ、主権を示す証拠を掲げようとした時だった、

ガァァァーーー

雑音?  奇声???


別の集団が、ラモダにのって現れた。

いや、襲われたと言っていい。


「なに事ですの?」

カレン姫は珍しく怯えている。


「盗賊だ。水源を狙ってきたんだろう」

味方のラモダが暴れ出し、砂埃が舞い踊る。

兵士が戦闘態勢に入った。


「姫たちを連れて逃げるんだ」

フェデルクス王子は、マスキート王子に言った。

「王子は?」

私とフェデルクス王子との瞳が重なる。

「兵士と、ここで戦う」

そう言って、兵士から盾と剣を受け取った。


「はやく、この場から」

マスキート王子は、私とカレン姫、兵士以外の同行者をラモダにのせ、先導した。

走り出すラモダ。

荒々しい声が砂漠に響く。


後ろを振り向いた。

兵士が盗賊と戦っている。

フェデルクス王子の盾に盗賊の剣があたり音を立てた。

勇敢に戦う王子の姿が、遠のいていく。

「ご無事で……」

祈るしかなかった。

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