ジョー・コーネルの名において命じる
申し訳ありません。ジョーについては、『白いカラス』を 以下略。。。
『 おれの声が聞こえているはずだ。寝たふりはやめておけ。―― ジョゼフ・コーネルの名において、おまえが《ここ》でおこなった 罪 すべてをならべたて、告白するように命じる 』
椅子におかれたコウモリが、ひきつったように手足の先を動かした。
『 ―― そこの人間に協力すれば、おれが、この先の《むこう》での判決に、口添えしてやってもいい 』
「ほんとか!?」
さけんでいきおいよく椅子から立ち上がったのは、《人間の男》の姿だった。
『 まあ、どれほど真実を話したかによるがな。そのあたりは、のちにすべてわかることだ 』
コウモリからまた人間になった男は、顔にかかる髪をかきあげた手を頭でとめ、何度もうなずいた。
「わかった、わかった。それならおまえと《契約》してもいい。 いや、でも、 ―― まだ条件がある。 サウスのぼっちゃんに言って、おれのこっちでの身も《保証》してくれよ」
『 保証? おまえはそこで告白したら、あとは、おれのところにくればいい 』
「 ちがうよ。そういうことじゃねえよ。 身の安全ってことだよ。 そうだ。このまま《むこう》に行くっていうなら、できれば《カラス》にむかえにきてもらえると安心できるし、無事にむこうにもいけるな」
考えるような目をルイにむけてきた。