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№13 ― どうにかして ―



 クラークが先頭のその行列は、とにかく目立ち、さきほどノアにからんできた男も目にしたせいか、ブラインドをしめきった犯罪防止部の共用の会議室ドア前には、数人のヒマな警察官が聞き耳をたてていた。


 ふいにドアがひらき、ひとわたりそのヒマ人たちをみわたし、「おまえらの顔はおぼえたぞ」と、クラークが言うまでは。




 ビニール袋を持たされていた眼鏡の男が、ルイの指示によって中にはいったコウモリをおそるおそるとりだし、椅子の上にそっとおいた。

両翼を力なく開き、仰向けになっている。






「  たのむから、いまから起こることについて、質問は、いっさいしないでくれよ」

 三人の若い警察官にむけた顔からじゃまな前髪をはらうと、ウィルは椅子の前に立ち、携帯電話をとりだす。


「 ―― ああ、おれだけど。 さっき説明した『コウモリ』が、おまえのいう通りとんで逃げようとして、捕獲された。 ―― いや、サリーナじゃなくて、クラークって言いうマイクの上司だよ。・・・いや、わかんない。 とにかく、その『コウモリ』がまだコウモリのままで、はなしがきけなくなっちゃったんで、どうにかしてくれよ。 なんなら、この携帯、コウモリに渡すけど、 ―― あ、そ」


 つまらなさそうに耳から器械を遠ざけ、「これでいい?」と口にする。



『 ああ、できれば、おまえがこれを持ったままのほうがいい。 それで、コウモリに近づけてくれ 』

 携帯のスピーカーから低く厚みのある声がこたえた。




 クラークが小声でノアになにかささやき、ノアがうなずく横で、三人の若い警察官たちは視線だけをかわしている。



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