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№11 ― あほらしくて ―
クロイス州警察署本部内の『犯罪防止部薬物犯罪防止課』は、比較的いつも人がではらっていて、静かな部屋として知られている。
会話をするにも、そこかしこで数人あつまって小声でするのが習慣となっている。
そうなった理由のひとつは、内線電話で会話すると『盗み聞き』される恐れがあるからなのだが、『誰になんの理由で』ということを思い出すと腹が立つので、ノアは思い出さないようにしている。
なにしろその元凶ともいえる男は、ようやくこの組織からとりのぞかれたのだ。
それでもやはり、《警備官》にいい感情を抱かない警察官はいることはいる。
「 なあ、ノア。 あんた退官したら、警備会社にいい席が待ってるんだろ?」
こういうやつだ。
「ほう、そりゃ初耳だな。どのくらいの待遇だって?」
あほらしくてカップからも、つまらない書類からも、顔をあげる気にもならない。




