№10 ― 『こっち』じゃない ―
申し訳ありませんが、ルイの《血縁関係》にかんすることは『白いカラス』にありますので、よろしければ、ひろってよんでみてください。。。
こういっちゃまずいけど、とウィルがニコルをみた。
「―― ジャンのポールに対する敵対心って、けっきょくなにかの裏返しだろう?」
「まあ、おまえが親父さんに持ってるものに近いかもな」
「はあ?ぼくはあそこまで拒否反応しめさないよ」
「いいから、ふたりともほら、仕事してくれよ」
ルイに示されたのは、机の上をおおいつくす写真たちだった。
会議室の机の上にあふれるそれは、クラークがポールから受け取った資料の一部で、11人の行方不明者の足取りを追い、防犯カメラなどで姿をとらえたものだ。
「したよ。仕事は。 もう、三回は確認したけど、共通する車や人なんかはないし、おかしな様子もみられない」
ニコルがあとをつぐ。
「失踪した人たちの近しい人たちの証言でも、共通しそうなものは『すこし落ち着かなかった』ってぐらいだ。 だからって、おもいあたる出来事や場所もでてこない」
「つまり、『こっち』方面では、証拠がでそうにないってことだよ」
こんなのはじめからわかってたろ?と机の上の写真をなげやりにしめし、ウィルがため息をつくと「『背中鬼』のほうだろ。どう考えたって」と、ルイを指さした。
「あのさあ・・・おれは『鬼』と関係ないよ。たぶん血縁的にも」
ゆびさされた男の血縁者に、『魔法使い』がいることは、班員みんなが知っている。