ルイとザックの報告
「じゃあ、つぎはおれたちの結果発表だね」
手をあげたルイが、うちはマークのはからいで三人編成だったんだけどさ、とジャンと警邏の一人をしめす。
「 彼女の家の中をひととおりみたけど、写真とか手紙で彼女の恋人を追うのは無理みたいだ。 彼女の友達にきいてみたけど、『ちょっと夢みがちな性格』だったらしくて、付き合うときは『今度こそ理想の恋人をみつけた!』ってとびつくんだけど、ちょっとでも理想とちがうとすぐに、そのあいてと撮った写真とか手紙とかの思い出の品を、ゴミとして出すらくて、手掛かりになりそうなものがなんにもないんだよ」と肩をすくめた。
ルイの横にすわるニコルとザックがめくばせし、得意げな顔でザックが立ち上がる。
「 おれたちはポールといっしょにコート州の湿地にいったんだけど、なんと、アラン・ボーマーのブーツの片方をみつけたぜ。 だけどけっきょく、ブーツの持ち主がわかったってだけで、目新しいものも、死体もなし。 発見したのは、湿地の水がなんだかすげえ冷たいってことだけだよ」
落っこちたからな、とニコルがつけたしたのに、みんなが笑い、ザックは、「それと、ポールはやっぱジャンの兄弟だなっておもった」と肩をすくめた。
「ザック」小声でたしなめるようなニコルの声がだされ、ニコルの後ろに座っていた警邏班のヒースが次に立ち上がる。




