勘があたった
「それが、あんたが《目玉》を見つけたおかげで、事件の可能性が高くなって、ターナーの端末なんかを調べることになったんだな?」
「まあね。携帯電話の履歴なんかはもう調べてあったんだけど、端末のメッセージなんて、よっぽどあやしいやり取りをしてなきゃ、相手を探すことなんて、しないし ――」
ポールとニコルがしゃべりながら近くの水の中に棒を突き刺し、かきまわしてゆくのを、ザックは少し離れた場所で眺めながら作業していた。
湿地の水はマーノック湖のものがわきでているものと思っていたのに、冷たくて、足の指の感覚がなくなるほどだ。
「 ―― でも、《よーいどん》のメッセージを見つけたとき、これだ、ってわかった。 彼が失踪した原因はきっと、これだ、って。―― 送った先はそのときはまだわからなかったけど、受け取った《よーいどん》のメッセージにターナーはご丁寧に、『前回のレンタルはどうでしたか?ぜひ、またのご利用を!』って返してたから、利用者名簿でハットンを見つけられた。 でも、」
「ハットンも携帯とか置きっぱなしで行方不明になってたってわけだ」
「確認したら端末に《よーいどん》をみつけた。 それをたどると、クレア・ファーマーがいて、指輪の持ち主だと特定できたんだ」
「『これだ』っていうあんたの勘は、あたってた」
「あたってよかったよ。 はずれてたら、仲間に笑われて、賭けにも負けるとこだった」