コナーさんの正体は?
「 ジュディの端末は、最後の操作で《コナーさん》に『よーいどん』がおくられている。 その《コナーさん》に、ジュディは三年以上前に『お借りした本とてもおもしろかったです。お返しにわたしのオススメを持っていきます』ってメッセージを送ってる。 地図の《赤い点と点》の距離を考えれば、その《コナーさん》はこのクロイス州に住んでるはずだ。 ―― さあ、ここで《コナーさん》の正体がわかったやつはいないか?」
両手をひろげてみせると、「図書館勤務」「作家」「本は別の物をさしてるんじゃない?」などと意見があがる。
うんざりしたようにケンが手をあげた。
「ここにあがってる11人が《つながってる》のはきいたが、それを『どうやって』さがしあてたのか、まだ聞いてねえけど」
腕を組みなおしたクラークがジャンをちらりとみた。
「・・・これが、事件として明るみにでたのはつい最近で、一人の被害者が判明して、そこからたどっていった結果がこの11人だ、どうやって探し出したのかは、あとで直にきくといい。・・・おれが言えるのは、根気よく、ずっと追っていったポールとその仲間たちに感謝ってことだけだ。あっちはこれの捜査に四人しかあててもらえなかったらしい」
「警察官としたら当然だろう?たしかに不自然な失踪だけど、どこかで死体があがったわけでもない」
クラークに対抗するように腕をくんでジャンがいいきる。