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どう『つながる』のか
申し訳ありません。
クラークのながい説明はじまります。
「 ボーマーが行方不明になってから一週間半ぐらいか。 つぎに行方不明になったのは、雑貨店の店主クレア・ファーマーだ。 旦那が死んでから三十年ちかく、ずっと店を一人で守ってきたしっかり者だが、なぜか、店をひらく準備をしたままで失踪。 ―― そのつぎが、それから八日後に、」
「ちょっと質問したい」
ルイがやんわりとした声で説明をさえぎり、クラークにさされる。
「 それらの『行方不明者』ってのが、どういうふうに『つながって』いるのかってのを、先にききたいな。 この州でもそうだけど、『行方不明者』ってのは一週間もあったらそりゃ数人は出るだろう? そのなかで、特定の人たちだけつながってたのを《見つけられた》理由が気になるよ」
たしかに、と周りもうなずくのをみたクラークが、そのタネあかしはとっておきたかったんだがな、とそれほど残念でもなさそうに、資料の束のうしろのほうを数枚ぬきだし、うち一枚を、近くにいるウィルに渡した。