表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/251

次はこないから


「じゃあ、・・『つながってる』ってのは、ベインが気づいたのか?」


「いや、おれたちが気づいて、ベインに相談した」


「どういう新興宗教だ?」



 運ばれてきたコーヒーを礼をいってうけとる弟をながめた兄は、眉をよせるようにわらった。

 

 ジャンがいちばんむかつく笑い方だ。


「まあな。『宗教』だって確証を得たら、あんがい早くかたづくんじゃないかと思って相談したんだが・・・、ベインが張ってる網にはかかってないみたいで、特定はできなかった。 ただ、普通の行方不明者とも違うから、《バーノルド事件》で『ほりあて』に動いたおまえのとこなら、いい働きをしてくれるだろうってベインがすすめるんで、《副班長サブチーフ》のおまえに、話しをきいてもらおうと思ったんだ」


「それなら、そう言ってくれりゃあ、会社内でそのままミーティングできたのに」


「まだ正式な書類が整ってないんだ。・・・それに、―― ひさしぶりに弟に会うのに、仕事の話だけってのもさびしいからな」


 テーブルに肘をついてこちらをみる顔に、いつものからかうような表情がうかんでいる。



「 仕事いがいのはなしはないよ。おふくろとはこの前あったばっかだし」


 まだ熱いコーヒーをいかりにまかせて一気にあおり、「書類が整ってから正式なかたちできてくれよ」と席を立つことにした。



 仕事のはなしなら電話で済んだろう、と言いたいのをこらえ、つけたした。




「 ―― いっとくけど、こんな急に呼び出されても、 次は、来ないからな」



 指をつきつけて背をむけた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ