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国道は?
すみません。題間違えました。変えましたー
「いちばん近道なのは国道?」
男はこちらの提案を、まるきり無視してききかえす。
「 ―― まあ、そうだけど」
こたえたとき、またしても急な角度で入ってきた車のライトがこちらを照らした。
タイヤをきしらせた車は、手前の給油機横にとまる。
「 国道は、ここをでて、あっちにむかってから、右かい?」
入ってきた車を、にらむようにみた男が道路をゆびさす。
「左だよ」
「そうか、ありがとう」
つぶやくように礼を言うと、汚い車に戻っていった。
車にのりこむときに、こちらに手をふってきたので、恋人が笑いながらふりかえしてやる。
「どうしたの?シワ、よってるわよ」
手をふりおえた彼女が眉間にキスをしてくれたので、サリーナは考えることを中断してその腰に腕をまわした。
「 なんでもない。 ―― あいつのモーテルじゃ、食べるものなんにもないだろうから、肉の塊もってきてんだ。中庭でバーベキューしよう」
提案しながらも、目はむこうへゆく。