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待ち合わせ



 ダイナーについたのは指定された時間の五分前だった。



 こちらを呼び出した男は、吸い殻をのせた灰皿をわきによせ、わらいをうかべカップをもちあげた。


「あいかわらず、時間に正確なのはいいことだな」



 文句をいいたいのをおさえ、むかいの席に腰をおとし「それで?」と用件をせかすと、あいさつもなくコーヒーをたのんだ。



「四か月まえからうちのほうで、おかしな行方不明者が続出してる」


「こっちだってそんなのたくさんいるよ」


 行方不明者など毎月たくさんでるし、去年の秋には、それこそいちどに大勢の人間がいなくなった。が、そのほとんどが『人間』ではなかったことを、ジャンたちは知っている。



 だが、そんなこと兄に話したことはないし、そもそもかかわっている事件について、おたがいに話したことなどいままでない。



 それが、急になぜ。



 こちらを静かにながめながらカップに口をつける男の眼の奥がわらっている。




 おもいだせば、いっつもそうだった。


 どんなにムキになっても勝つことはできず、はんぶんわらったような目で「おまえはまだちいさいんだし」なんて、相手にもされなかった。



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