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A班ファイル ― コウモリは湿地でお茶する ―  作者: ぽすしち
《湿地》と兄弟

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232/251

心配な預け先

嫌な表現、場面あり。ご注意を


「 そこから、 ―― おれがマリアをむかえにいくっていう、習慣がはじまったんだ。 おまえを抱いて、街のあちこちの酒場とか、あいつがいそうな場所に行っちまう。 ほんとはもう、さがす相手はとっくにはかの街に行ってるってのに、おまえを連れてりゃ、父親である男に会えるとおもってたんだ」



 おまえもいい迷惑だったな、と指先の煙草をふった。



「・・・ようやく、ほかの大人が心配してくれて、役所から人がきた。 マリアは、その人のおかげですこし自分をとりもどして、おれは学校から帰っても、お前を抱いたおふくろを、さがしにいかなくて済むようになった。 三人とも、平和だったときだ」



 言って、じっくりとすいつけた煙草を灰皿におしつけ、すぐに新しいのを指先にはさむ。



「 ―― おまえが、一歳をすぎたとき、マリアが働きだした。 近くの『友達』におまえを預けるっていってな。 おれはその『友達』ってのが信用できなかった。 あたりのトレーラーハウスの中でも一番きたない家で、いつ行っても男たちがうろついてて、その女が家で《客》をとってるってのは、みんなが知ってる『噂話』だった。 マリアはそれを知ってるのか知らないのか、その女に金をはらって、お前の面倒をみさせるって言うんだ。 もちろん、おれが、やめた方がいいっていうのは無視された。 おまえはしばらくその女に預けられて、ひさんな扱いをうけ、マリアが仕事を早退して迎えにいったときに、 ―― 檻に入れらてるおまえをみつけて、救い出された」



「・・・おぼえてねえなあ・・・」



 だろうな、と新しい煙草をくわえ火をつけた。



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