表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/251

彼は『本物』


 いまでは笑い話になっているこの『出会い』を友達にはなしたら、おいかけてほしくて《わざと席を立った》んじゃないかと言われたが、彼にはそんなことを考える理由はない。

 


 ハンサムでどうやらかなりのお金持ち。

 本人は口にしないが、きっと実家は上流階級なのだろう。

 読書家で、書評や紹介文を雑誌に寄稿して生活している。


 人とのつきあいが苦手なのでこの仕事を選んだと言っているくらいなので、ここまでの人生の過ごし方も察しはついた。

 ほとんどを家族とすごし、すこしの友人とときどき会う。

 恋人とよべるまでつきあった相手もなくここまできてしまった、と恥ずかしそうにはなす様子をながめ、彼は『本物』だとおもった。

 


 誠実で控えめで、いつでもこちらのことを先に考えてくれる男。

 


 友達はそんな『男』この世にいるわけはない、と信用してくれなかったが、現物がここにいる。


 そしてそんな男が、金持ちだということを匂わせないように言葉に気をつかい、そういう関係が目的ではないと伝えながら、別荘に行かないかと誘ってきている。








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ