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映像に捕まった


 《冒険家》だったモスのPCには、いままで出向いた『危険な場所』や、『立ち入り禁止』の看板のむこうの映像がたまっており、その中にあの《湿地》の映像が見つかった。




「 そりゃつまり、ここでもう《背中鬼せなかおに》に、呼ばれてるってことか?」



 ニコルの質問にこたえたのは、いま映像でみたばかりの《モスの姿》になったコウモリだった。



「 ちがうよ。 『ここで』、《背中鬼》は、彼をつかまえようとして、逆に、『つかまった』んだよ。 ―― この『映像』の中に」



「『映像の中に』?」


 意味がわからなそうなニコルに、「カメラでとったこの『映像の中に捕まった』んだよ」とさらに言いなおす。


 そんなことあるのか?と疑わしい視線に、《モス》はわらってうなずく。



「 あるんだよ。 ほら、写真とか、映画とかに、あんたたちのいう、『おばけ』とか、よくわかんないもの、とか、『うつりこむ』だろ?  ―― あれはさ、あの器械の『波長』に、そいつの波長が、たまたま合った瞬間なんだよ」



 はちょう?って、どういうもん?とザックが小声でルイにきいている。



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