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真実だから


「うん。 ・・・だからさ、おれより十三歳年上で、性格もぜんぜん逆で、実力もある人が、 おれのことなんか、相手にしてくれるか、・・・ウィルの意見をきいてみたかったんだって・・・」


 顔をあかくして、テーブルをふいて汚れたペーパーを空のカップに押し込むザックの顔は、初めて見る種類のもので、改めて自分よりも歳下なのだと意識した。



 ばれないように息をおおきく吸い、ゆっくりとはきだしながら、「いい、おとこだよ、たしかに」と口にする。



 自分がほめられたかのような顔をむけたザックの眼をみながら、つけたした。




「 だけど、―― ぼくはオススメしない。 彼は、 『死者』に 捕まってる男だよ」





 ザックにどう恨まれようとも、真実は伝えるべきだった。






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