肯定派
「信じるよ。 おれは、《そういうの》肯定派なんだ」
半分本気、半分冗談のような口調のポールは、まわりにいる男たちをみまわす。
「 ―― ベインにきいたかぎりじゃ、この世界に『人間』として暮らしていた『鬼』の仲間が、集団でもとの世界にもどったから、《集団失踪》になったっていうし、事件には『精霊』がかかわっていて、そのせいで『魔女』がでてきたって? ―― あんたたちが、かなりかかわったっていうけど、そっちこそ、実際そういうの信じられたのかい?」
たのしそうな口調で、まわりの警備官たちがどう反応するのかをうかがっている。
まっさきに、気の短いウィルが、そうだよ、とこたえる。
そのこたえをわらうようにポールが椅子から後ろに身をひねった。
「 なるほどなあ。 ―― 歴史のながいサウス家では、『そういうはなし』は、受け入れやすいってとこか」
「・・・・・へえ。 なんだか、《うち》のこと詳しいのかな?」
「おたくの農場に、 ―― おもしろい『聖父』がいるのを、知ってるくらいにはね」
このこたえに、若者たちがいっせいにクラークをみた。




