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A班ファイル ― コウモリは湿地でお茶する ―  作者: ぽすしち
ウィルとザックはまだケンカをしている
159/251

ほんとは照れ屋


「 あいつはポールのこと、犯人の仲間だと思ってんだぜ? おれは、あんなやつの言うことは信用できないし、あいつのほうこそ、あやしいよ」


「それって、なにを根拠に?」


「・・え?」



 ウィルはザックの手から空になった瓶をとりあげる。

「 なあ、ザック ―― おれたちは、『警察官』の《補助》をしてる。 『警察官』って言うのは、『証拠』がなければなにもできないし、疑うにも『根拠』が必要だろ?」


「まあ・・うん・・」


「おまえが、《コウモリ》のことを頭から信じないのは勝手だけど、『捜査』に、思い込みは禁物だって、前にマイクも言ってたよ。 この事件はただでさえ、いまだに死体さえ出ていない。だから、おれたちは《行方不明の人たち》を、どうにかみつけられるような、たしかな『手がかり』や『証拠』をさがしあてなきゃならない。 ―― この意味、わかるか?」


「・・うん。・・・たしかにちょっと、頭に血が上ってたせいで、決めてかかってたかも・・・。ちゃんと、 『仕事』するよ」


「わかってるならいいよ。 ―― なんだよジョー、飲み終わったなら返してくるよ」




 ジョーの手からもぎとった瓶も持って店の方にむかうその背に、ザックがおごってもらった礼をいう。



「ほらみてよ、あれってウィルが照れてるんだぜ」




 首をすこしかたむけ、片手をあげる後ろ姿は、彼が子どものころに農場を手伝って帰るとき、トムの声にこたえる姿と同じだった。





休憩おわり

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