見物
こちらは、事件に関係ないザックとウィルのけんかのみ。
とばしていただいても、へいきです。
書きたかっただけ。。。。
ウィルとザックは、車の車体をはさんでむかいあい、なにかを言い合ってる最中だった。
「 ―― だからそれは、もういいって」
「よくないからこうやってもう一度・・・なんだよ?見物するつもりか?」
ウィルににらまれたジョーは、腕をくんで見物する体勢にはいっていた。
ウィルとザックといっしょに知り合いの教会を訪れることになったのだが、《コウモリ》の扱いについてクラークと話し合っていて、駐車場にくるのが遅くなったのだ。
「気にしないで続けてくれ」
近くに車は数台とまっているが、ほかに人はいない。
「 続けないよ。 ウィルがしつこいだけだから」
ザックが運転席のドアをあけてのりこむ。
「べつに『しつこく』ないだろ?」
おいかけるように、隣の席にウィルが身をすべりこませる。
みとどけたジョーが、ゆっくりと後部座席にのりこむまで、前のふたりは顔もそむけたままだった。
「席をはずしてやりたいとこだが、そうもいかないんで、耳をふさいでおこう」
警備会社の大型四輪駆動車は、ジョーがのりこんでも、きしみもしなかった。
普段仕事をして暮らしている農場の貨物用トラックは、後ろに羊をのせても何もいわないくせに、運転席にジョーをのせると悲鳴をあげる。