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A班ファイル ― コウモリは湿地でお茶する ―  作者: ぽすしち
ケンとルイは捜査をはじめる
133/251

『ついてない』


「 おれはこの人の手当てで手一杯さ。  ―― すぐに来てくれてたすかったよ」


 そういって微笑んだ顔をみて、『わざとだな』とトビーは思った。



 たしかに、腕を撃たれた店主は年寄で、苦しそうにはしているが、止血の手当てはすんでいる。

 被害者を落ち着かせるのは、もちろんいちばん大事なことだが・・・。



 脚を数発撃たれた犯人は、泣くようにうめいていた。

 たしかに、大きな血管は無事なようだし、骨も折れてはいないだろう。

 こんなの、上から強く押しておけば問題ないな、と思い、フォーネルは半泣きの強盗に、出血場所に自分で布を強くおさえるように指示した。




「ポールに出会っちまったんじゃ、こいつもついてなかったな」


 相棒はどうやらこのポールという『刑事』を知っているようで、めずらしく犯人に同情するような目をむけている。



「ついてないのはおれのほうだよ。 家に、洗剤を待ってる洗濯ものと、ビールを待ちわびてるおふくろがいるんだ。おれの携帯はさっきから、おふくろの催促で何度も鳴ってるし、今日の野球中継はもうすぐ終わる」


「あんたまだおふくろさんと住んでるのかい?」


「病気なんだよ。一人じゃいられない病」


 相棒とふたりで笑いあってるところに、救急車が先に到着した。




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