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A班ファイル ― コウモリは湿地でお茶する ―  作者: ぽすしち
ジョー、ザック、ジャンも到着
122/251

№18 ― 聖父到着 ―


「 あ、? 」

 ザックが、前で立ち止まってしまったジョーの大きなからだをよけるように部屋のなかをのぞく。



 どうやらここは会議室のようで、机がいくつか向かい合うように置かれており、机で囲まれた真ん中の空いた場所には、ひとりの男が座っていた。


 男はジョーにとてもよく似ているが、ジョーよりもかなりからだが小さい。




「 ―― なんだ? おまえ、おれになろうとしたのか?」


「みんながあんたを《欲した》からな。 でも、おれはあんたの《魂》には近寄れねえから、かたちだけまねてみたんだよ」


 ジョーの質問に小柄な《ジョー》がなげやりな調子で手をひろげた。




 まわりの机や椅子にこしかけた警察官と警備官たちは、なんとも微妙な顔で二人をみくらべている。


「だいたいのことはウィルとの電話できいた。ポールが湿地にひとりでいたっていうのは本当なのか?」


「なあ聖父せいふ、おれは『契約書』にサインしたんだぜ?」


「たしかにな。 ―― で?湿地にひとりでいたってだけで、あやしいと思ったのか? ポールの《魂》は、どうだったんだ?」


「なんだか変わってる。 すこし・・・まぶしくて見えないとこもあったしな」


「なら、ここにいる警備官たちとそれほどかわらないだろう?」


「たしかにな。 その赤い髪の女とおれを捕まえたあの男もだけど、ここには《変》なのばっかいるんだな」



 本物と偽物のジョーが顔をあわせて笑いあうのに、ウィルがいらついたようにジョーのことを呼んだ。



「 ―― おれたちに、こいつのはなしをわかりやすく解説してもらうためにおまえを呼んだんだから、ちゃんと仕事してくれよ」



 元聖父は、そうだな、と近くの椅子をひきよせ、《コウモリ》の近くに腰をすえた。


 ならんだ『二人のジョー』をみて、まるで兄弟だな、とサリーナの横にいた警察官男がこぼした感想に、ウィルがいやそうな顔をみせる。




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