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A班ファイル ― コウモリは湿地でお茶する ―  作者: ぽすしち
ジョー、ザック、ジャンも到着
118/251

№17 ― 初めての警察署 ―




 ザックが州警察の本部に入るのは、これが初めてだった。



 一歩入ったとたんに、自分の会社がいかに資金にめぐまれた環境なのかを、思い出した。


 うす暗い電灯。置いてもすぐに電話が鳴りだす受付と、古いベンチでなにかを待っている疲れた顔の人たち。

 すこし奥からは、なにかを抗議する声となだめる声。

 みわたした机の群れには、書類をさわり電話をしながらPCにむかう制服の警察官たち。




 自分の故郷の警察署を思い出した。


 大きな声では言えないが、こどものころ何度か世話になったこともあるので、奥にみえるガラスの仕切りの中がどうなっているのかも、だいたいの想像がついた。




 受付の警察官は、電話の会話を続けながら、ザックの隣に立つ大きな男をみあげている。


 Tシャツに、この時期はもうあわない厚手のネルシャツをはおり、汚れた眼鏡をかけた大男は、受付のメモ帳をひきよせると、いっしょに置いてあったペンで、なにかすらすらとかきつけ、電話中の警官にみせた。



 眉をよせてそれをみた警官は、驚いた顔で三人の男をあらためた。電話をいっしゅん離し、「だれか、防犯課に案内してやれ」と奥にさけぶ。



 だれもすぐに反応しないところで、「迷子たち、こっちだよ」と女の声がして、くらい廊下の奥に赤い髪の女が現れた。




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