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今度は《ジョー》に


「人間だと、なんていうんだ? 住処にしてる場所の範囲内で、自分の好きなようにできる場所のこと」



「『住処』? おまえ、単語の選択間違ってるんじゃないか? それだと、《背中鬼》が、《湿地》に住んでるみたいになるけど」


 ルイがカップに口をつけ首をかしげる。




「 住んでるさ。 湿地のあの穴は全部、あいつの《住処》につながってるんだから。 だから、人間がひとりであそこにいるなんて『ありえない』んだよ。 あの《背中鬼》が、自分の縄張りに一人でいる人間を放っておくなんて、 ありえねえんだから 」



 言い切ったとたん、《ポール》の姿をしていた《コウモリ》は、この場でいちばん 『欲されて』 いる男、《ジョー》へと姿を変えた。






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